AEO施策に取り組む企業が増えるなか、すべてを自社で行うか、すべて外部に任せるかで迷う場面が目立つようになってきました。「AEO対策は内製と外注のどちらがよいのか」「どこまでを自社の担当にすればよいのか」「外注するときに何を確認すればよいのか」という担当者も少なくありません。本記事では、AEO施策の作業の分け方、内製に向く作業と外注に向く作業、組み合わせパターン、切り分けの手順、外注先への確認事項を解説します。
- AEO施策の5つの作業と担当の考え方
- 内製に向く作業を見分ける3つの観点
- 外注に出しやすい作業と社内に残す関与
- 内製と外注の組み合わせ3パターン
- 切り分けの手順、外注先への確認事項、進める順番
AEO施策の作業は5つに分けられる
計測、コンテンツ改修、構造化データとサイト構造、外部対策、報告の5つです。AEO(Answer Engine Optimization)とは、AIが生成する回答の中で自社の情報が引用・言及されやすい状態を整える取り組みです。施策全体で「内製か外注か」を決めようとすると結論が出にくく、作業ごとに担当を決める方法が判断の近道です。
体制コストの按分や事業フェーズによる一般的な判断は「マーケティング内製化と外注の判断基準|投資対効果から考える分岐点とは」、AEO/LLMOの費用と支援会社の選び方は「LLMO対策の費用相場|AEO/LLMO支援の料金を左右する3要因と会社選びの基準」が詳しい記事です。本記事は、その手前にある「AEOのどの作業を誰が担うか」に絞ります。
| 作業 | 内容 | 主な成果物 | 作業の性質 |
|---|---|---|---|
| 計測 | 決めた質問をAIに投げ、引用・言及の状況を記録する | 記録表、時点ごとの推移 | 月次などで繰り返す |
| コンテンツ改修 | 記事の結論の位置、事実、更新日を見直し、必要な記事を新規に作る | 改修・公開した記事 | 自社の事業知識が要る |
| 構造化データとサイト構造 | JSON-LDの実装、見出しや内部リンクの整理、クローラー設定 | 実装済みのページ | 技術知識が要り、実装は単発になりやすい |
| 外部対策 | 第三者のメディアや比較サイトでの言及・掲載を整える | 掲載・言及の増加 | 社外との調整が要る |
| 報告 | 結果を整理し、次の改修の判断材料にする | 月次レポート | 判断の根拠を社内に残す |
Google 検索セントラルの「AI features and your website」(2025年12月10日更新、2026年10月9日閲覧)によれば、AI Overview(日本語の画面では「AI による概要」)やAIモードに表示されるための追加要件や特別な最適化はなく、AI専用の構造化データも不要です。構造化データとサイト構造の作業は、AI専用の特殊な作業ではなく、画面の表示内容と一致させる通常の基盤整備として位置づけます。

当社では自社サイトでコンテンツ記事を120本以上公開・運用しています。記事数が増えるほど、計測・改修・報告を一括りに「担当者の仕事」としてしまうと、誰がどこまで見るのかが曖昧になりがちです。施策全体ではなく、作業単位で担当を決めておくことをおすすめします。具体的な実施項目は「AEO対策のやり方とは?自社で今日から始める7つのチェック項目【2026年版】」にまとめました。
内製に向く作業を見分ける3つの観点
自社の事実や判断が要る作業と、頻度が高く繰り返す作業が向きます。計測の日常的な確認、コンテンツの事実確認と公開判断、報告の読み取りが該当します。見分ける観点は次の3つです。
| 観点 | 内製に寄せる条件 | 該当する作業 |
|---|---|---|
| 自社の事実が必要か | サービス内容、数字、事例など社内にしかない情報が要る | コンテンツの事実確認、公開判断 |
| 頻度が高いか | 月次などで繰り返し、都度の依頼では間に合わない | 質問の実行と記録 |
| すぐに判断が必要か | 結果を見てすぐ次の改修につなげる | 報告の読み取り、優先順位づけ |
当社では、月次でChatGPT・Gemini・Perplexityに実際に質問し、引用状況を記録しています。質問の文言は、営業の場面で顧客から聞かれる言い方に寄せられる社内の担当者が決めるほうが実態に合い、記録表も社内に残って次の判断に使えます。質問文の作り方は「AI引用調査のプロンプト設計|自社を調べる質問文の作り方と記録のコツ」を参照してください。
コンテンツ改修も、判断が社内に残る作業です。当社でも、新規記事の企画時に公開済みの全記事とタイトル・見出し・メインKWを突き合わせ、主題の重複を確認しています。記事数が増えると重複は社外の担当者から見えにくく、公開の判断は社内で持つほうが進めやすいでしょう。当社は、Search Consoleのクエリデータも月次で見たうえで、記事の切り口を決めます。
回答の取得そのものはAEOツールで自動化する方法もあります。ツールの基本は「AEOツールとは|できること・機能の種類・導入前の基礎知識を整理【2026年版】」で確認できます。当社は、AI検索での引用・言及を計測するSaaS「AIMention」を自社で運営していますが、どのツールを使う場合でも、結果の読み取りと改修の判断は社内に残すことをおすすめします。数字の意味を事業の文脈で解釈できるのは、事業を知る担当者だからです。
外注に出しやすい作業と社内に残す関与
向くのは、専門知識が要って実装が単発またはまとまった工数になる作業と、社外との調整が要る作業です。構造化データの実装、サイト構造の改修、外部対策、計測の初期設計が中心になります。
| 作業 | 外注に向く理由 | 社内に残す関与 |
|---|---|---|
| 構造化データの実装 | JSON-LDなどの専門知識が要り、実装は一度にまとめて行うことが多い | 実装する項目の承認、画面の表示内容との一致の確認 |
| サイト構造・クローラー設定の改修 | テンプレートやサーバー設定に触れるため、開発の知識が要る | 変更してよい範囲の承認、変更履歴の保管 |
| 外部対策 | 掲載先との調整や継続的な打診に工数がかかる | 発信してよい情報の確認、掲載内容の確認 |
| 計測の初期設計 | 質問セットと記録方法の設計は、経験者がいると早く固まる | 事業に合う質問の提供、運用開始後の引き継ぎ |
実装方法は「構造化データ実装完全ガイド|AI引用に効くJSON-LDの書き方」、クローラーの制御は「AIクローラーの制御方法|GPTBotのrobots.txt設定と書き方を解説」、外部対策は「サイテーション獲得の実践ガイド|AI検索時代に引用される戦略とは」が詳しい記事です。外注する場合も、実装後に表示内容と合っているかを社内で確認する関与は残す形が現実的です。当社は自社サイトの構造化データをリッチリザルトテストで検証しており、公開後に検証ツールで検出状況を見る作業は、実装を外部に任せる場合でも社内で行えます。
これらをまとめて任せたい場合は、当社のAEO/LLMO対策のように、実装から月次の改善までを一貫して支援するサービスもあります。外注に出す作業ほど、出した後に社内で確認できる状態を先に作っておくことが重要です。
内製と外注の組み合わせ3パターン
技術と外部対策のみを外注する型、制作も外注して判断を内製に残す型、立ち上げ期だけ伴走を受けて内製へ移す型の3つです。共通するのは、計測結果の読み取りと公開の判断を社内に残す点です。
| パターン | 内製する作業 | 外注する作業 | 向く状況 |
|---|---|---|---|
| 技術と外部対策のみ外注 | 計測、コンテンツ改修、報告の読み取り | 構造化データ、サイト構造、外部対策 | 記事を書ける担当者がいて、技術の手が足りない |
| 制作も外注・判断は内製 | 質問の設計、事実確認、公開判断、報告の読み取り | 記事の改修・新規作成、技術実装、外部対策 | 担当者が少なく、制作の工数が足りない |
| 立ち上げ伴走・のち内製 | 立ち上げ後の計測、改修、報告 | 立ち上げ期の設計と初期の実装 | 型がまだなく、社内に経験者がいない |

型を選ぶ基準は、記事数、担当者の人数、技術の手の有無です。外注する場合も、どの記事から手を入れるかという優先順位は社内で持っておくと進めやすいでしょう。優先順位の付け方は「AEO施策の優先順位|新規記事とリライトのどちらを先に行うかの判断基準」を参考にしてください。
立ち上げ伴走から内製へ移す型は、移行のときに手順書や記録表が社内に残っているかどうかで成否が分かれます。この点は、後述する外注先への確認事項に含めます。
切り分けを決める手順
作業の一覧化、3観点での評価、組み合わせの決定、見直しの順です。作業を先に洗い出してから担当を当てはめる順で進めます。
| 手順 | 行うこと | 決めるもの |
|---|---|---|
| 作業を一覧にする | 5つの作業を自社の施策に当てはめ、実際に発生する作業まで分解する | 作業の一覧 |
| 3観点で評価する | 自社の事実が要るか、頻度が高いか、すぐに判断が必要かを作業ごとに見る | 内製寄りか外注寄りか |
| 組み合わせを決める | 評価を3つのパターンに照らして選ぶ | 担当表(誰が・いつ・何を行うか) |
| 四半期ごとに見直す | 担当表と実態のずれ、外注の成果物の状況を確認する | 担当の移し替え |
担当者を先に決めてから作業を探すより、作業を先に一覧にしておくほうが手戻りが少なく済みます。担当者の得意分野に寄らず、担当の決まっていない作業を見つけやすいためです。
見直しの周期は、引用状況の確認が月次であっても、担当の見直しは四半期ごとで十分なケースが大半です。引用状況が変わらないときは、担当の問題だけが原因とは断定できません。切り分けて動かしても変化が見えない場合の確認手順は「AEOの効果が出ない原因7つ|施策後に見直す切り分けの順序と確認ポイント」で確認できます。コンテンツ制作の型そのものは「コンテンツSEOの実践ガイド|BtoB企業が成果を出す型とその手順」が詳しい内容です。担当は人ではなく作業に紐づけて決め、四半期ごとに見直す運用が基本と考えます。
外注先に契約前に確認する6つの項目
作業範囲、成果物、必要な権限、計測の条件、報告の形式、引き継ぎと契約期間の6点です。AEOの作業は5つに分かれるため、どの作業が含まれるかを具体的にそろえないと、見積もりも比較できません。費用の比較は「LLMO対策の費用相場|AEO/LLMO支援の料金を左右する3要因と会社選びの基準」、支援会社の選定全般は「マーケティング支援会社の選び方|コンサルとの違いと費用相場の目安を解説」で扱っています。
| 確認項目 | 確認する内容 | そろえておくと進めやすくなる点 |
|---|---|---|
| 作業範囲 | 5つの作業のうち、どれが含まれるか | 契約後の追加依頼を減らせる |
| 成果物 | 実装済みページの一覧、レポートなど何が納品されるか | 作業内容を社内で評価できる |
| 必要な権限 | CMS、サーバー、タグの権限をどこまで渡すか、承認の流れ | 作業の開始が早まり、変更の範囲を決められる |
| 計測の条件 | 質問の文言、対象のAI、取得の頻度を開示するか | 数字の差を、条件の違いと実際の変化に切り分けられる |
| 報告の形式 | 報告の頻度と、数字と施策を結びつけた説明の有無 | 改善の判断を社内で行える |
| 引き継ぎと契約期間 | 内製へ移すときの資料、最低契約期間、解約条件 | 内製へ移すときに資料を使える |
AEOは成果が見えるまでの期間に幅がある領域です。最低契約期間が自社の予算サイクルと合うかも、契約前に確認が必要です。いずれ内製へ移す可能性があるなら、引き継ぎの資料は契約前に条件として決めておくのが現実的です。
AEO施策の6段階と、社内に残す承認と確認
最初に作業を一覧にし、改修に入る前に計測の記録を取り始める順が、進めやすい流れです。改修前の状態が残っていれば、実装や記事の見直しのあとに、引用状況の変化を比べられます。段階ごとの判断者と、次の段階へ進む条件を並べると次の表になります。
| 段階 | 誰が何を判断するか | 次の段階へ進む条件 |
|---|---|---|
| 1. 作業を一覧にする | 社内の責任者が、5つの作業を自社の施策に当てはめる | 担当の決まっていない作業がなくなる |
| 2. 計測を始める | 社内が事業に合う質問を出し、外部の経験者がいれば記録方法を設計する | 質問セットと記録表がそろい、改修前の状態を記録できる |
| 3. 構造化データとサイト構造を整える | 社内が実装する項目を承認し、実装は外部または社内の開発担当が行う | 公開後に、表示内容との一致を社内で確認できる |
| 4. コンテンツを改修する | 社内が事実確認と公開判断を行い、制作を外注する場合も最終確認は社内で持つ | 公開した記事が、記録表の質問と結びついて追跡できる |
| 5. 外部対策を進める | 社内が発信してよい情報を確認し、掲載先との調整は外部に任せる場合がある | 掲載内容を社内で確認できる |
| 6. 報告を読み、担当を見直す | 社内が結果を読み取り、四半期ごとに担当表を更新する | 次の改修の優先順位が決まる |
注意点は2つです。1つ目は、外注に出した段階でも、承認と確認を社内に残すことです。実装や外部対策を任せたあとに、表示内容や掲載内容を社内で確認できなければ、次の段階へ進めません。2つ目は、内製への移行を見込むなら、手順書と記録表を各段階の成果物として受け取ることです。立ち上げ期の伴走が終わってから資料を求めても、そろわない場合があるためです。
AEO/LLMO対策のサービス資料はこちら
施策内容・進め方・支援事例・費用をまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。ChatGPT・Geminiから引用される状態をどうつくるのか、具体的な進め方をご確認ください。
よくある質問
Q AEO対策は内製と外注のどちらがよいですか?
施策全体ではなく、作業ごとに決めるのが現実的です。計測の日常確認、事実確認と公開判断、報告の読み取りは内製に、構造化データの実装、サイト構造の改修、外部対策は外注に向きやすい作業です。一般的な判断基準は「マーケティング内製化と外注の判断基準|投資対効果から考える分岐点とは」をご覧ください。
Q AEO施策のどこまでを自社でやればよいですか?
最低限、質問の設計と月次の引用状況の記録、結果の読み取り、記事の事実確認と公開判断は社内に残すことをおすすめします。自社の事実と判断が要る作業だからです。技術実装や外部対策は、社内の手が足りなければ外部に任せても、判断が社内にあれば運用できます。
Q AEOを外注するときに確認することは何ですか?
作業範囲、成果物、必要な権限、計測の条件、報告の形式、引き継ぎと契約期間の6点です。特に、AEOの5つの作業のうちどれが含まれるかをそろえないと、見積もりを比較できません。費用面は「LLMO対策の費用相場|AEO/LLMO支援の料金を左右する3要因と会社選びの基準」で整理しています。
Q AEOの内製化は担当者が1人でも進められますか?
計測の記録、事実確認、公開判断、報告の読み取りに絞れば、1人でも進められます。技術実装や外部対策まで1人で抱えると負担が大きいため、外注との組み合わせが現実的です。担当者が替わっても続くよう、記録表と手順書を社内に残しておくと引き継ぎやすくなります。
Q AEO対策の内製と外注の切り分けを相談できますか?
作業の一覧化と、内製・外注どちらに寄せるかの評価から相談できます。自社の施策に合わせて、どの作業を社内に残し、どれを外部に任せるかを整理する段階からでも構いません。AEO対策の内製と外注の切り分けについては、当社へのご相談もご検討ください。