AEO/LLMO対策の記事を数多く公開してきた当社ですが、それらの手法を自社のコラム自体にどこまで実践できているかは、これまであまり公開してきませんでした。他社に対策を提案する立場である以上、まずは自社での実践を通じて手応えや課題を確かめておきたいという思いもありました。当社では、2026年8月に自社のコラム記事に対して2回の改修を行い、実際に手を動かしながら多くの気づきを得ました。本記事では、その改修内容と見えてきた成果、そして想定より時間がかかったことまで、実践者としての率直な記録を公開します。

この記事でわかること
  • 8/2改修で行ったこと
  • 8/27改修で行ったこと
  • 見えてきた成果
  • 想定より時間がかかったこと・見落としていたこと
  • Rich Results Testでの検証結果

8/2改修で行ったこと

1回目の改修では、FAQコンテンツの5問への拡充と、構造化データ(JSON-LD)の対応を中心に行いました。この改修は、実は月次レビューに着手した時点で当社自身が見落としていたもので、改修済みであることに気づかないまま分析を始めてしまうという反省点がありました。この経験自体が、本記事で紹介する学びの一つでもあります。

8/27改修で行ったこと

2回目の改修では、対象記事全20本への内部リンク追加、会話形式クエリを意識した見出し追加(4本)、そして記事の公開日・最終更新日を可視化するテーマ側の表示機能の実装を行いました。内部リンクを見出し単位で自然に配置するという設計の基本的な考え方は「内部リンク設計の基本と実装|SEOに効く情報アーキテクチャの作り方」で解説していますので、あわせてご参照ください。当社では、内部リンクの追加後にリンク先URLが実際に生きているかを1本ずつ確認し、見出し追加後も既存の文章構造を崩していないかを目視でチェックするという工程を挟んでいます。更新日表示の機能については、テーマファイルの実装は完了していますが、本番環境への反映はまだこれからの段階です。

8/27改修における内部リンク確認プロセスのフロー図: 内部リンクを20記事に追加した後、リンク先URLの生存確認と見出し追加後の文章構造の目視チェックを実施。想定より時間を要した反省点を踏まえ、チェック作業を自動化するスクリプトを用意し次回改修以降の確認工程に反映

2回の改修を分けて行った理由

本来であれば、気づいた改善点をまとめて一度に反映したほうが効率的にも思えます。しかし当社では、あえて2回に分けて改修を行いました。理由は、一度に多くの変更を加えてしまうと、どの施策がどの変化に効いたのかを後から切り分けられなくなるためです。1回目でFAQと構造化データ、2回目で内部リンクと見出しというように施策の種類を分けたことで、それぞれの変化を多少なりとも見分けやすくなったと感じています。もっとも、公開時期が近いこともあり、完全に効果を切り分けられているわけではない点は正直にお伝えしておきます。

改修フェーズ 実施日 主な施策 施策の系統
1回目 2026年8月2日 FAQコンテンツを5問へ拡充/構造化データ(JSON-LD)対応 コンテンツ・マークアップ系
2回目 2026年8月27日 対象記事20本への内部リンク追加/会話形式クエリを意識した見出し追加(4本)/公開日・更新日の可視化機能実装 内部リンク・UI系

8月に行った2回の改修の時系列を示すタイムライン図: 8/2改修(FAQ5問拡充・構造化データ対応)、月次レビュー着手時に8/2改修を見落とし(反省点)、8/27改修(内部リンク20本追加・見出し追加4本・更新日表示機能実装)、現在は会話形式クエリ比率2割強を確認しつつ効果測定中

見えてきた成果

会話形式のクエリに注目すると、一般的なキーワードでの順位が伸び悩んでいる記事の中にも、会話形式のクエリでは大きく上回る順位を獲得しているものが複数見つかりました。当社の支援経験を踏まえても、こうした「一般キーワードでは苦戦しているのに、具体的な問いへの回答としては評価されている」記事は、見出し追加によって改善の余地が大きいという実感があります。全体として、対象記事における会話形式クエリの比率は2割強にのぼり、これらのクエリに対応する見出しやFAQを用意しておくことの重要性を改めて認識しました。また、内部リンクの追加についても、公開時点では存在しなかった後続記事へのリンクを追補することで、記事同士のつながりが強化され、サイト内を回遊しやすい構造に少しずつ近づいてきている手応えがあります。ただし、これらの変化はまだ改修から日が浅い段階での観測であり、断定的な効果として語れる段階ではないことは付け加えておきます。

一般キーワードでの順位と会話形式クエリでの順位を比較した模式図。一般キーワードでは伸び悩んでいる記事でも、会話形式クエリでは順位を大きく上回っているケースが複数あることを示す。対象記事のうち会話形式クエリの比率は2割強。正確な数値データではなく相対関係を示す概念図

想定より時間がかかったこと・見落としていたこと

正直に振り返ると、想定より時間がかかったことがいくつかあります。まず、8/27改修の効果測定です。改修から日が浅いため、順位やクリック数への影響はまだ十分に測定できておらず、施策の効果が数字として見えてくるまでには、思っていたよりも長い時間軸で構える必要があると感じています。また、前述の通り8/2改修の存在を見落としていたことも、当社にとって大きな教訓でした。改修履歴を都度記録し、次に着手する前に必ず現状を確認するという当たり前の手順の重要性を、身をもって学ぶ結果になりました。もう一つ想定より時間がかかったのが、内部リンクの整合性確認です。20本の記事にリンクを追加する作業自体は機械的に進められましたが、リンク先の記事が実際に公開されているか、リンクテキストが正式なタイトルと一致しているかを1本ずつ確認する工程には、想像していたよりも多くの時間を要しました。効率化のためにチェック作業を自動化するスクリプトを用意したことで、次回以降の改修ではこの部分の負担を減らせる見込みです。

事項 内容 得られた教訓・対処
8/27改修の効果測定 改修から日が浅く、順位・クリック数への影響がまだ十分に測定できていない 効果が数字として見えてくるまでには、想定より長い時間軸で構える必要がある
8/2改修の見落とし 月次レビュー着手時に改修済みであることに気づかないまま分析を開始してしまった 改修履歴を都度記録し、着手前に必ず現状を確認する手順を徹底する
内部リンクの整合性確認 20本のリンク先の生存確認とアンカーテキストの一致確認に、想定以上の時間を要した チェック作業を自動化するスクリプトを用意し、次回以降の負担を軽減

Rich Results Testでの検証結果

構造化データが正しく機能しているかを確認するため、改修後にGoogleのRich Results Testで検証を行いました。サンプルとして確認した2記事は、いずれも記事・パンくずリスト・組織情報を含む複数の有効なアイテムが検出され、エラー・警告は見つかりませんでした。

構造化データ種別 検出状況 備考
Article(記事) 有効なアイテムとして検出 エラー・警告なし
BreadcrumbList(パンくずリスト) 有効なアイテムとして検出 エラー・警告なし
Organization(組織情報) 有効なアイテムとして検出 エラー・警告なし
FAQPage 構造化データ自体は出力しているが、リッチリザルトとしては検証結果に表示されない 2026年5月7日付でFAQ rich result機能自体がGoogle検索で全サイトを対象に廃止されたため(下記参照)

なお、FAQ用の構造化データ自体は出力していますが、Google(Google Search Central)「FAQページ(FAQPage)構造化データガイドライン」によれば、FAQ rich resultは2026年5月7日以降Google検索結果に表示されなくなっており、これは一部サイトに限った表示制限ではなく、全サイトを対象とした機能自体の廃止です。今回のテスト結果にFAQPageのリッチリザルトが反映されていないのはこの仕様変更によるものであり、今回の改修による問題ではないことを確認しています。もっとも、検索結果上の見た目としてのリッチリザルト表示がなくなった後も、FAQPageの構造化データを実装しておく意味は残っていると当社では考えています。ページ内のQ&A形式のコンテンツをAI検索エンジンが理解・把握する助けになるためで、当社では見た目の変化にかかわらず、AEOの観点からFAQ構造化データの実装を継続する方針です。構造化データの実装方法については「構造化データ実装完全ガイド|AI引用に効くJSON-LDの書き方」で詳しく解説しています。

他部門にも共有した気づき

今回の改修を通じて得た気づきは、コラム運営チーム内だけにとどめず、社内の他のプロジェクトにも共有するようにしました。特に、施策を実施する前に現状を確認するステップを省略しないという教訓は、AEO/LLMO対策に限らず、あらゆる改善業務に共通する基本的な姿勢だと感じています。小さな確認作業を惜しんだことが、結果的に分析全体のやり直しという大きな手戻りにつながったという経験は、今後の業務全般に活かしていきたいと考えています。

次回の改修に向けて

次回の月次レビューでは、今回見落としていたような「現状確認の抜け漏れ」が起きないよう、着手前のチェック手順を標準化して臨む予定です。具体的には、対象記事の`modified`日時とFAQなどのpost_metaの現状を、分析に着手する前に必ず確認するというステップを、社内の運用プロセスとして明文化しました。また、更新日表示機能の本番反映後は、表示のトーンや細部の見え方まで確認したうえで、必要であれば微調整を加える予定です。リライトの一般的な考え方については「AEO/LLMO改善のリライト術とは|既存記事を活かす実践ステップ」で解説していますので、あわせてご覧ください。FAQ設計の基本的な考え方は「FAQコンテンツによるAEO対策|AI引用を高める効果的な作り方と実装」も参考になります。

まとめ

自社コラムでのAEO/LLMO改善は、見出し追加や構造化データの整備といった個々の施策以上に、改修履歴を正しく把握し、効果測定に十分な時間を見込むという運用の土台づくりが重要だと実感する機会になりました。うまくいった点だけでなく、見落としや時間差といった率直な学びも含めて公開することが、同じような取り組みを検討している方の参考になれば幸いです。自社サイトのAEO/LLMO対策について相談したい場合は、当社へのご相談もご検討ください。

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よくある質問

Q AEO/LLMO対策の効果はどのくらいで出ましたか?

A

改修から日が浅く、まだ十分な期間のデータが蓄積できていません。会話形式クエリでの順位など、一部の指標には変化の兆しが見えていますが、総合的な評価にはもう少し時間が必要だと考えています。

Q 改修で最も苦労した点は何ですか?

A

以前の改修内容を見落としたまま分析を始めてしまったことです。着手前に現状を確認する手順を怠ると、思わぬ手戻りが発生することを実感しました。

Q 構造化データはすぐに効果が出るものですか?

A

構造化データ自体は実装後すぐにRich Results Testなどで検証できますが、検索結果やAI検索での扱われ方に反映されるまでには一定の時間がかかる場合があります。

Q これから対策を始める企業へのアドバイスは?

A

会話形式クエリの順位を確認し、一般キーワードとのギャップが大きい記事から見直すと、効率よく改善点が見つかります。改修履歴の記録も忘れずに行うことをおすすめします。

Q 自社サイトのAEO/LLMO対策を相談したい場合は?

A

現状の記事構成や改修履歴の整理から相談したい場合は、当社へのご相談もご検討ください。