X(旧Twitter)やLinkedInで情報発信に取り組むBtoB企業は徐々に増えていますが、店舗ビジネスやtoC向けの運用ノウハウをそのまま持ち込んでもうまくいかないことが少なくありません。「何を投稿すればいいか分からない」「フォロワーが増えず更新が止まってしまう」「XとLinkedInで何を使い分ければいいか分からない」という声もよく聞きます。本記事では、BtoB企業がSNS運用に取り組む意義、X・LinkedInの使い分け、実践のポイントを解説します。

この記事でわかること
  • BtoB企業がSNS運用に取り組む意義
  • X(旧Twitter)とLinkedInの使い分け
  • 実践ポイント
  • 効果測定の方法
  • 炎上・トラブル対応の方針を事前に決めておく
  • よくある失敗

BtoB企業がSNS運用に取り組む意義

SNS運用は、フォロワー数を競う施策ではなく、業界内での認知や、指名検索された際の企業の印象を補強する施策と位置づけると理解しやすくなります。採用候補者や取引先の担当者が、企業名で検索した際にSNSアカウントを目にすることも多く、更新が止まっているアカウントは活動していない印象を与えかねません。無理に情報発信を続けるより、更新を止めてしまう方がかえって印象を損ねるリスクがある点を踏まえて、継続できる運用体制を組むことが重要です。

X(旧Twitter)とLinkedInの使い分け

X(X Business)の「中小企業のお客様からよく寄せられる質問」では、アカウント開設自体は無料で、情報発信のスピード感が特徴として案内されています。XとLinkedInは、それぞれ適した発信内容が異なります。両方を同じ運用体制で並行して始めると負担が大きくなるため、まずは自社の目的(採用強化なのか、業界内での認知向上なのか)に近い方から着手し、運用が軌道に乗ってからもう一方に広げていくのが現実的です。

項目 X(旧Twitter) LinkedIn
特徴 拡散性が高く速報性のある発信向き ビジネスプロフィール前提の実名文化
向いている内容 業界ニュースへの反応、イベント速報、採用情報 事業の考え方、実績紹介、専門的な知見の発信
読者層 業界関係者から一般層まで幅広い ビジネス目的で利用する担当者・決裁者層

拡散性・速報性を活かした発信に向くX(旧Twitter)と、実名文化を活かした専門的な発信に向くLinkedInの特徴の違いを示す比較図

実践ポイント

投稿の型を決める

毎回内容をゼロから考えると更新が続きません。「業界ニュースへのコメント」「自社の取り組み紹介」「採用関連の発信」のように、いくつかの型を決めておくと、投稿のハードルが下がります。当社では、SNS運用を支援する際、まず2〜3種類の投稿の型を決め、曜日ごとに割り当てる簡易なルールから始めることを提案しています。例えば、月曜は業界ニュースへのコメント、水曜は自社の取り組み紹介、金曜は採用関連の発信というように曜日で型を固定しておくと、投稿担当者が毎回テーマを考える負担を減らせます。

更新頻度を無理なく保つ

高頻度を最初から目指すと続かなくなるため、継続できる頻度から始めます。更新が途絶えたアカウントを放置するより、少ない頻度でも継続している方が、企業としての信頼感につながります。

社員の発信も活用する

会社の公式アカウントだけでなく、社員個人が実名で発信する情報は、企業アカウントよりも信頼されやすい傾向があると考えられます。無理に発信を強制するのではなく、発信したい社員が発信しやすい環境(ガイドラインの整備等)を用意することが現実的です。当社では、SNS運用の設計時に、発信内容の確認範囲や避けたい話題等を簡潔なガイドラインとしてまとめ、社員が安心して発信できる状態を整えることを提案しています。

BtoB企業のSNS運用の始め方として、認知拡大か採用強化かを決める目的設定を行い、2〜3種類のテーマを決める投稿の型決定を行い、無理のない頻度で運用を開始し、インプレッション・指名検索の変化を見て効果測定するという4ステップの流れを示すフロー図

効果測定の方法

フォロワー数を主要な指標にすると、地道な運用が正しく評価されず、数字を追うだけの運用になりがちです。インプレッション数(表示回数)・プロフィールへのアクセス数・投稿ごとのエンゲージメント率(いいね・コメント・シェアの割合)を基本の指標としつつ、SNS単体では見えない効果として、指名検索数や採用応募時の「SNSを見た」という声もあわせて確認します。SNS上の反応だけでなく、指名検索数のような間接的な指標まで含めて確認することで、SNS運用が実際に企業の認知や信頼にどう貢献しているかを把握しやすくなります。月次で主要な指標を記録し、反応の良かった投稿の型を次月以降に増やしていく、という地道な改善サイクルを回します。

炎上・トラブル対応の方針を事前に決めておく

BtoB企業がSNS運用を避ける理由の1つに、炎上やトラブルへの不安があります。発信前のチェック体制(誰が投稿前に確認するか)を決めておくことに加えて、万が一批判的な反応が集まった場合の対応方針(誰が判断し、どう返信するか、または沈黙するか)も、運用開始前に簡単なルールとして決めておくと、実際に起きた際に落ち着いて対応できます。当社では、SNS運用の立ち上げ支援において、炎上リスクの高い話題(政治・宗教・係争中の話題等)への言及を避けるガイドラインと、緊急時の連絡フローをあわせて整備することを推奨しています。あらかじめ方針を決めておくだけでも、実際に問題が起きた際の初動対応の速さが大きく変わります。

よくある失敗

社内で誰が運用を担当するか決まらないまま始めてしまい、更新が徐々に止まっていくケースがよく見られます。特に、既存の広報・マーケティング業務と兼務で任された場合、他の業務が忙しくなるとSNS更新が後回しにされがちです。担当者を決めずに「みんなで発信する」体制にすると、結局誰も投稿しないまま更新が止まってしまうことが多く見られます。当社では、SNS運用の立ち上げを支援する際、まず1名を主担当として明確にし、投稿の最終確認フローも含めて運用ルールを先に決めてから始めるよう提案しています。担当者と運用ルールを先に決めてから始めることで、無理なく継続しやすくなります。

まとめ

BtoB企業のSNS運用は、フォロワー数ではなく、業界内での認知や指名検索時の印象を補強することを目的に設計します。X・LinkedInの特性を踏まえて使い分け、投稿の型を決めて無理なく続けられる頻度で運用することが基本です。運用体制の設計から炎上対応の方針まで、SNS運用の戦略設計に迷う場合は、当社へのご相談もご検討ください。

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よくある質問

Q XとLinkedIn、どちらから始めればいいですか?

A

決まった正解はありません。業界ニュースへの反応や採用情報を発信したい場合はX、専門的な知見や実績を発信したい場合はLinkedInが向いています。両方の運用が難しい場合は、目的に合う方から始めます。

Q フォロワーが少なくても効果はありますか?

A

あります。フォロワー数の多さよりも、指名検索された際にアカウントが見つかり、活動している企業だという印象を与えられるかどうかが重要です。

Q 投稿頻度はどれくらいが適切ですか?

A

決まった正解はありませんが、継続できる頻度から始めることをおすすめします。頻度を高く設定しすぎると更新が止まる原因になります。

Q 社員に発信を強制してもいいですか?

A

強制はおすすめしません。発信したい社員が発信しやすい環境(ガイドラインの整備等)を用意し、自発的な発信を後押しする形が現実的です。

Q SNS運用の戦略設計を相談できますか?

A

目的設定から投稿の型の設計、効果測定まで、動画・SNSマーケティング支援の一環としてご相談いただけます。SNS運用の戦略設計に迷う場合は、当社へのご相談もご検討ください。