制作会社を変えるとき、ドメインを渡してもらえるのか、サイトの引っ越しを手伝ってもらえるのか。その答えの多くは、契約書の文言ではなく、ドメインとサーバーの名義、そしてDNSを誰が管理しているかで決まっています。この記事は、Webサイトを制作会社に任せている会社が、名義と管理者を確かめるための確認項目を、確認の方法、制作会社への質問と書面に残すこと、すでに制作会社の名義になっている場合の進め方、最初の一歩の順に挙げたものです。
- ドメイン・サーバー・DNSの名義と管理者が決めること
- ドメイン・サーバー・DNSそれぞれの確認方法
- 制作会社に確認する項目と契約に書くこと
- すでに制作会社の名義になっている場合の進め方
- 名義と管理者を確かめる最初の一歩
ドメイン・サーバー・DNSの名義と管理者が決めること
名義と管理者が決めるのは、サイトの引っ越し、更新の手続き、トラブル時の対応を、誰が実行できるかです。ドメインは住所、サーバーはサイトを置く場所、DNSは住所と場所を結ぶ案内にあたり、3つのどこかを他社が握っていると、手続きのたびに他社の協力が必要になります。
| 対象 | 確認する名義・管理者 | 名義や管理が他社だと必要になること |
|---|---|---|
| ドメイン | 登録者(名義)と、登録を管理するアカウント | 更新、移管、登録情報の変更に他社の手続きが要る |
| サーバー | 契約者と、管理画面のログイン権限 | 引っ越しやバックアップに他社の協力が要る |
| DNS | DNSの設定を変更できる人 | メールや他のサービスの設定変更に他社の作業が要る |
制作会社が名義を持つこと自体が不適切という意味ではありません。制作会社が代行して契約する形は、運用を任せやすい点で、選ばれる場面も多くあります。重要なのは、誰の名義で、誰が管理していて、変えたいときに誰の手続きが必要かを、発注する側が把握していることです。
ドメインの名義と管理者を確かめる方法
ドメインは、登録者の名義と、登録を管理するアカウントの2点を確かめます。確かめる手がかりは、請求書の宛名、登録事業者からの更新の案内メール、ドメインの登録情報の3つです。
JPRS「JPドメイン名のルール」(2026年10月30日閲覧)では、JPドメイン名を登録・利用するには、指定事業者を通して手続きを行うと説明されています。また、意図せず指定事業者が変更されることを防ぐための、指定事業者変更ロックの機能も紹介されています。名義と管理のアカウントが誰のものかを確かめておくと、移管やロックの設定を自社で判断できます。
当社は、Webサイト制作・運用を提供しています。当社は、自社サイトでコンテンツ記事を100本以上公開・運用しています。サイトが長く続くほど、管理する対象と関わる担当者が増えるため、名義と管理者の確認結果を一覧にして残しておく意味が大きくなります。
サーバーの契約者と管理画面の権限を確かめる方法
サーバーは、契約者の名義、請求の宛名、管理画面にログインできる人の3つを確かめます。契約者が制作会社になっている場合は、自社が管理画面に入れるか、バックアップを自社で取得できるかを確認します。
見落とされやすいのは、管理画面のIDとパスワードが、特定の担当者の個人のアカウントになっている場合です。担当者が退職したり、制作会社の担当が変わったりすると、ログインできなくなります。会社として管理するアカウントを作り、複数の人が使える形にしておくことを基本にします。公開後の運用の分担は、サイト公開後の保守運用とは|何を誰がやるかの切り分け方と契約範囲の見方も参考になります。
DNSの管理者と変更の手順を確かめる方法
DNSは、設定を変更できる人と、変更するときの手順を確かめます。DNSには、サイトの表示先だけでなく、メールの受信やほかのサービスの認証の設定も入っているため、変更の影響が広い領域です。

DNSの設定を他社が管理している場合は、変更を依頼してから反映されるまでの期間と、依頼の窓口を確認します。メールのように止まると業務に影響する設定は、変更前に現在の設定を控えておくと、問題が起きたときに戻せます。自社のサイトの引っ越しを予定している場合は、DNSの変更が、サイトの表示とメールの両方に影響しないかを、制作会社と事前に確認します。
制作会社に確認する項目と契約に書くこと
名義と管理者の取り決めは、契約を結ぶ前に書面に残すのが基本です。制作会社に確認するのは、名義、更新と費用、引き継ぎ時の協力範囲、管理画面のIDの扱いの4つです。口頭の確認だけでなく、契約書や発注書に、書面として残しておきます。
| 確認する項目 | 確認する問い | 書面に残すこと |
|---|---|---|
| 名義 | ドメインとサーバーの名義は、どちらか | 名義人と、契約している事業者 |
| 更新と費用 | 更新の時期と、更新の費用は誰が支払うか | 更新時期、請求の宛名、費用の取り扱い |
| 引き継ぎ時の協力 | 契約を終えるとき、移管や引っ越しに協力してもらえるか | 協力する範囲と、依頼から対応までの期間 |
| 管理画面のID | 自社のIDは発行されるか | 権限の範囲と、会社として管理する担当 |
契約を終えるときの流れも、あらかじめ決めておくと安心です。協力してもらう作業(ドメインの移管、サーバーのデータの引き渡し、DNSの切り替え)、依頼から対応までの期間、費用の有無を、契約書か覚書に書いておきます。口頭の約束だけでは、担当者が変わったときに確認できなくなります。
制作会社の選定時に確認しておくと、後から引き継ぎで困る場面を避けられます。見積もりの項目全体の確認は、Web制作会社の選び方とは|見積もりで必ず確認すべき5つの内訳ポイントで整理しています。要件の整理は、Webサイト制作の要件定義|発注前に決めておく7項目とRFPへのまとめ方が参考になります。リニューアルでURLや移行の範囲を決める場合は、リニューアルの見積もりが割れる理由|URL・コンテンツ移行・CMS変更の3項目と合わせて確認します。
すでに制作会社の名義になっている場合の進め方
すでに制作会社の名義になっている場合は、まず現状を一覧にして、問題が起きるかを判断し、必要なら名義の変更や移管を相談します。名義が制作会社でも、運用が円滑で、契約が続く限りは、変更の必要がないこともあります。
進める順番は、現状の確認、制作会社への相談、手続きの実行の3つです。現状の確認では、請求書や更新の案内メールから、ドメイン、サーバー、DNSの名義と管理者を書き出します。制作会社への相談では、名義の変更や、自社のIDの発行を依頼できるかを聞きます。手続きの実行は、サイトの表示とメールに影響が出ない時期を選んで、制作会社と日程を決めて行います。

名義と管理者を確かめる最初の一歩
最初の一歩は、ドメイン、サーバー、DNSの3つについて、名義と管理者を1枚の一覧に書き出すことです。この一覧は、現状の把握だけでなく、制作会社が変わるときや、担当者が変わるときの引き継ぎ資料として、そのまま使えます。
書き出す項目は、対象、名義人、契約している事業者、更新の時期、管理画面にログインできる人の5つです。空欄が残る項目は、確認が必要な項目であり、制作会社に尋ねる質問がそのまま決まります。当社では、全記事にFAQを5問設け、読者が検索しそうな会話形式の見出しを加えています。名義と管理者の確認でも、「誰に聞けば分かるか」を質問の形で書き出しておくと、確認が進みます。
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よくある質問
Q ホームページのドメインの名義は、誰の名義にするのがよいですか?
自社の名義にして、更新や移管の手続きを自社で判断できる形が基本です。制作会社が代行して契約する形も運用を任せやすい面があり、一概に不適切とはいえません。誰の名義で、誰が管理し、変えたいときに誰の手続きが必要かを、発注する側が把握しておくことが重要です。
Q ホームページのドメインの名義は、どうやって確認できますか?
請求書の宛名、登録事業者からの更新の案内メール、ドメインの登録情報の3つを手がかりにします。JPドメイン名は指定事業者を通して手続きを行うため、どの事業者でどのアカウントが管理しているかを確かめます。確認した結果は、一覧にして残します。
Q ホームページのサーバーの契約者が制作会社の場合、何を確認すればよいですか?
自社が管理画面にログインできるか、バックアップを自社で取得できるかを確認します。管理画面のIDが特定の担当者の個人アカウントになっていると、担当が変わったときにログインできなくなります。会社として管理するアカウントを作り、複数人で使える形にします。
Q ホームページのDNSの管理者は、なぜ確認しておく必要がありますか?
DNSには、サイトの表示先だけでなく、メールの受信やほかのサービスの認証の設定も入っているためです。変更の影響が広く、管理者が他社の場合は、依頼から反映までの期間と窓口を確かめておく必要があります。変更の前には、現在の設定を控えておきます。
Q ホームページの名義が制作会社になっている場合、どう進めればよいですか?
現状の確認、制作会社への相談、手続きの実行の順に進めます。運用が円滑で契約が続く間は変更の必要がないこともあります。名義の変更や移管を検討する場合は、サイトの表示とメールに影響が出ない時期を選びます。