BtoBの動画マーケティングは、複雑な製品・サービスの価値を短時間で伝えられる手段として、展示会・Webサイト・営業資料など幅広い場面での活用が進んでいます。一方で、動画制作を初めて発注する企業からは、「何のために動画を作るのかが定まらないまま発注してしまった」という声も少なくありません。本記事では、BtoB企業における動画マーケティングの活用パターンと、発注時に必ず確認すべき4つの点を解説します。
- BtoB企業における動画マーケティングの活用パターン
- 動画マーケティングを発注する際に確認すべき4つの点
- 動画制作の費用相場と内訳
- 動画を活用した後の展開・二次活用方法
BtoBの動画マーケティングとは何か
BtoBの動画マーケティングとは、企業間取引において、製品・サービスの特長や導入効果を映像で伝え、見込み顧客の理解促進や商談化を後押しするマーケティング手法です。BtoCの動画が感情的な訴求を重視することが多いのに対し、BtoBの動画は意思決定に関わる複数の関係者に対して、機能・導入効果・費用対効果を論理的に伝えることが重視される点が特徴です。
当社の支援経験では、テキストと静止画だけでは伝わりにくい業務フローや導入前後の変化を動画で示すことで、商談前の理解度が高まり、初回商談での説明時間を短縮できたという事例が見られます。動画は「見てもらえれば伝わる」情報を、営業担当者が口頭で説明する負担を減らす役割も担っています。
また、BtoBの購買プロセスは複数の関係者が段階的に意思決定に関わることが多く、現場担当者が動画で理解した内容を、決裁者への社内説明の材料として転用できる点もBtoB動画マーケティングならではの特徴です。テキスト資料だけでは伝えづらいニュアンスも、動画であれば現場担当者が決裁者に見せるだけで説明の代わりになる場面があります。
BtoB企業における動画マーケティングの活用パターン
BtoB企業が動画を活用する場面は、大きく分けて製品紹介・導入事例・展示会・採用の4つのパターンに整理できます。それぞれ目的が異なるため、どのパターンを想定して発注するかを明確にしておくことが重要です。
| 活用パターン | 主な目的 | 主な活用場面 |
|---|---|---|
| 製品紹介動画 | 機能・特長の理解促進 | Webサイト・商談時の資料 |
| 導入事例動画 | 導入後の効果・信頼性の訴求 | Webサイト・営業資料 |
| 展示会用動画 | 短時間でのブース誘導・興味喚起 | 展示会場のモニター・SNS |
| 採用動画 | 社風・働き方の可視化 | 採用サイト・求人媒体 |

展示会用動画の特徴
展示会用動画は、来場者の足を止めて興味を引くことが最優先されるため、10〜30秒程度の短尺で要点を絞った構成が中心になります。展示会そのものの集客・接客設計とあわせて動画の活用方法を検討すると、より効果的な運用がしやすくなります。展示会マーケティング全体の設計については、別記事「展示会マーケティング成功パターン7選|BtoB企業の集客事例と実践ポイント」で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
動画マーケティングを発注する際に確認すべき4つの点
動画制作を外部に発注する際は、以下の4つの点を事前に確認しておくと、公開後の「思っていたものと違う」というミスマッチを防ぎやすくなります。実務で複数のクライアントを支援する中で、この4点の擦り合わせが不十分なまま発注し、納品後に大幅な作り直しが必要になったケースを見てきました。
- 活用目的:どの活用パターン(製品紹介・導入事例・展示会・採用等)を想定しているか
- 費用の内訳:企画・撮影・編集・ナレーション等がどこまで含まれているか
- 二次利用の範囲:完成した動画を別媒体や別期間でも使い回せるか
- 修正対応の範囲:納品後の軽微な修正が何回まで無料対応か
活用目的を先に決めておく重要性
動画マーケティングの発注で最も多い失敗は、活用目的を明確にしないまま「かっこいい動画を作ってほしい」という抽象的な依頼から始めてしまうことです。誰に・どの場面で見せる動画かを先に決めておくことで、尺の長さや構成、ナレーションの有無といった制作会社との具体的な打ち合わせがスムーズになります。
二次利用の範囲を契約前に確認する
動画の二次利用範囲は、契約時に見落としやすいポイントのひとつです。展示会用に制作した動画をWebサイトやSNS広告でも使い回したい場合、追加費用が発生するのか、当初の契約に含まれているのかは、制作会社によって扱いが異なります。想定している活用シーンをすべて事前に伝え、二次利用の可否と条件を契約前に確認しておくことをおすすめします。
費用の内訳を項目単位で確認する
見積もりの総額だけでなく、企画構成費・撮影費・編集費・ナレーション費がそれぞれいくらなのかを項目単位で確認しておくと、他社の見積もりと比較しやすくなります。特に編集費は、テロップやアニメーション、BGMの有無によって工数が大きく変わる項目のため、どこまでの演出が含まれているのかを事前にすり合わせておくことが重要です。
修正対応の範囲を確認する
納品後の修正対応が何回まで無料で含まれているかも、事前に確認しておきたいポイントです。テロップの誤字修正のような軽微な修正と、構成自体を変更する大幅な修正とでは、対応可否や追加費用の扱いが異なる制作会社が多いため、修正の範囲がどこまでを指すのかをあらかじめ確認しておくと、納品後のやり取りがスムーズになります。
動画制作の費用相場と内訳
動画制作の費用は、企画構成費・撮影費・編集費・ナレーション費といった項目の積み上げで構成されます。具体的な金額は動画の尺や撮影日数、出演者の有無によって大きく変動するため、公式サイトで確認するか、複数社から見積もりを取って比較するのが現実的です。
| 費目 | 主な内容 | 金額に影響する要素 |
|---|---|---|
| 企画構成費 | 構成台本・絵コンテの作成 | ヒアリング回数、構成の複雑さ |
| 撮影費 | 撮影クルー・機材・撮影日数 | 撮影場所の数、拘束時間 |
| 編集費 | 編集・テロップ・アニメーション | 演出の作り込み度合い、修正回数 |
| ナレーション費 | ナレーター起用・音声収録 | 起用するナレーターの経験・稼働時間 |
クライアント支援の現場では、撮影日数を1日に収めるか複数日に分けるかで総額が大きく変わるという相談を受けることが多くあります。撮影場所の移動や出演者のスケジュール調整が発生する場合は、撮影日数が増えることを見込んで予算を検討しておくと安心です。動画制作を含めたマーケティング予算全体の考え方は、別記事「中小企業のマーケティング予算はどう決める?費用相場と配分の判断基準」でも解説していますので、あわせてご参照ください。
動画を活用した後の展開・二次活用方法
完成した動画は、公開して終わりにするのではなく、複数のチャネルに展開することで投資対効果を高めることができます。Webサイトへの掲載に加えて、営業担当者が商談時にタブレットで見せる、展示会のモニターで流す、SNS広告用に短尺版を切り出すといった形で、1本の動画素材を複数の場面で使い回す設計が現実的です。

これまでのご支援で見えてきたのは、動画を単体の施策として捉えるのではなく、営業資料やWebサイトの導線と組み合わせて設計した企業ほど、動画制作にかけた費用に対する納得感が高いということです。撮影・動画制作から展示会での活用まで含めて相談したい場合は、「写真・動画撮影」のサービスページをご参照ください。実際に撮影・動画制作と展示会支援を組み合わせて成果につなげた事例として、「製造業のコーポレートサイト・展示会・撮影の総合支援」もあわせてご覧ください。
まとめ
BtoBの動画マーケティングは、製品紹介・導入事例・展示会・採用という4つの活用パターンを整理した上で、活用目的・費用の内訳・二次利用の範囲・修正対応の範囲という4つの点を発注前に確認することで、公開後のミスマッチを防ぎやすくなります。まずは自社がどの活用パターンを最優先で解決したいのかを整理し、複数の制作会社から見積もりと二次利用条件を取り寄せて比較することから始めてみてください。
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よくある質問
Q BtoBの動画マーケティングでは、まずどの活用パターンから着手すればよいですか?
自社の営業課題によって異なりますが、商談前の理解促進を目的とするなら製品紹介動画、成約率の向上を目的とするなら導入事例動画から着手するケースが多く見られます。
Q 動画制作の費用相場はどのくらいですか?
尺の長さや撮影日数、出演者の有無によって金額は大きく変動するため、一律の相場を示すことは困難です。複数の制作会社から見積もりを取り、企画構成費・撮影費・編集費の内訳を比較することをおすすめします。
Q 展示会用に作った動画は、他の場面でも使い回せますか?
二次利用の可否は契約内容によって異なります。Webサイトへの掲載やSNS広告への展開を想定している場合は、契約前にその旨を伝え、追加費用の有無を確認しておくことが重要です。
Q 動画制作会社を選ぶ際、費用以外に確認すべき点はありますか?
BtoB企業の制作実績があるか、納品後の修正対応が何回まで無料かという2点は、費用と合わせて確認しておきたいポイントです。修正範囲の認識違いは、公開後のトラブルにつながりやすい部分です。
Q 動画マーケティングの発注に不安がある場合はどうすればよいですか?
活用目的が固まっていない段階でも、まずは自社の営業課題を整理した上で相談することが現実的です。企画段階から一緒に検討できる支援先を選ぶことも、失敗を防ぐひとつの方法です。あわせてご確認ください。