サイトを訪れたものの離脱してしまったユーザーに再度広告を配信するリターゲティング広告は、Web広告の中でも一般的な手法ですが、「同じユーザーに広告が出続けて嫌がられていないか心配」「除外設定が複雑でどこから手をつければいいか分からない」「効果測定の見方が分からない」という相談をよく受けます。本記事では、リターゲティング広告の仕組み、離脱ユーザーを逃さないリスト設計、広告疲れを防ぐ運用のコツ、効果測定の進め方を解説します。

この記事でわかること
  • リターゲティング広告とは
  • 離脱ユーザーを逃さないリスト設計
  • 広告疲れを防ぐ運用のコツ
  • 効果測定と改善サイクル
  • よくある失敗

リターゲティング広告とは

Google(Google 広告 ヘルプ)の「リマーケティングによるリーチについて」では、過去にサイトを訪問したユーザーのリストを作成し、そのユーザーに向けて広告を配信する仕組みが説明されています。新規顧客獲得の広告と異なり、すでに自社を認知しているユーザーへの配信になるため、コンバージョン率が高くなりやすいのが特徴です。限られた広告予算の中でも費用対効果を出しやすい施策として、多くの企業がまず着手する広告手法の1つになっています。

離脱ユーザーを逃さないリスト設計

訪問ページ別にリストを分ける

トップページだけを見て離脱したユーザーと、料金ページや事例ページまで見て離脱したユーザーでは、検討度合いが異なります。当社では、支援先のリターゲティング広告を設計する際、料金ページ・資料請求フォーム到達ページ等、検討度合いの高いページの訪問者を別リストに分け、優先的に広告費を配分するよう提案しています。

訪問ページ 検討度合い 配信の優先度
トップページのみ 低い(認知段階) 低〜中
サービス紹介・事例ページ 中程度 中
料金ページ・資料請求フォーム 高い(比較検討段階) 高

すべてのリストに均等に予算を配分するのではなく、検討度合いの高いリストに予算を厚く配分することで、限られた広告費で効率的にコンバージョンへつなげやすくなります。

除外リストを併用する

すでに問い合わせ・資料請求を完了したユーザーや、既存顧客は、除外リストに登録して配信対象から外します。コンバージョン済みのユーザーに広告を配信し続けると、広告費が無駄になるだけでなく、しつこい印象を与えて逆効果になりかねません。

リターゲティング広告のリスト設計ステップとして、訪問ページ別にリストを作成し、検討度合いの高いリストに配分を厚くする優先度を設定し、コンバージョン済みユーザーを除外設定し、フリークエンシーを管理しながら配信を開始するという4ステップの流れを示すフロー図

広告疲れを防ぐ運用のコツ

フリークエンシーキャップを設定する

同一ユーザーへの配信回数(フリークエンシー)が多すぎると、広告への印象が悪化します。フリークエンシーキャップ(配信回数の上限)を設定せずに配信を続けると、少数のユーザーに広告費が偏って消化され、リスト全体への露出機会が減ってしまいます。一定期間内に表示される回数を制限し、リスト全体にバランスよく配信されるようにします。

クリエイティブをローテーションする

同じクリエイティブを出し続けるのではなく、複数パターンを用意してローテーションさせることで、見飽きられることを防げます。単に見た目を変えるだけでなく、価格訴求・導入事例訴求・機能訴求のように、切り口自体を変えたパターンを用意すると、1回目で反応しなかったユーザーにも別の角度から訴求できます。当社では、支援先のリターゲティング広告で、2〜3週間ごとにクリエイティブを差し替える運用を基本としています。

配信期間を検討期間に合わせる

配信期間が長すぎると、すでに他社で決定したユーザーにまで広告費をかけ続けることになります。自社の平均的な検討期間(問い合わせから受注までの日数)を目安に、配信期間の上限を設定します。当社では、BtoB企業のリターゲティング広告で、検討期間の実績値をもとに配信期間を30〜60日程度に設定するケースが多くあります。検討期間の実績値が社内に蓄積されていない場合は、まず60日程度の配信期間から始め、実際のコンバージョンデータが集まってきた段階で、最適な期間に調整していくのが現実的な進め方です。

効果測定と改善サイクル

リターゲティング広告は、通常の広告よりもコンバージョン率が高く出やすいため、単純な獲得件数だけでなく、新規顧客獲得の広告と分けて費用対効果を比較します。リターゲティング広告の成果を新規獲得の広告と同じ基準で評価すると、実際の貢献度を過大または過小に見積もってしまう可能性があります。配信対象のリストが枯渇していないか(新規訪問者が増えているか)も定期的に確認します。リストの規模が小さすぎると、フリークエンシーキャップを設定していても一部のユーザーに配信が偏りやすくなるため、サイトへの流入数が少ない段階では、無理にリターゲティング広告を開始せず、まず流入自体を増やす施策を優先する判断も必要です。ランディングページ側の訴求を整える方法は「BtoBサービスのランディングページの作り方|CVRを高める7つの設計手順」もあわせてご参照ください。

新規顧客向け広告は未接触層への認知・興味喚起が目的であるのに対し、リターゲティング広告は離脱済みユーザーへの再アプローチが目的であるという違いを示す比較図

リターゲティング広告でよくある失敗

新規顧客向けの広告と同じクリエイティブをそのまま使い回してしまうケースがよく見られます。すでにサイトを訪れたことのあるユーザーに、初回接触時と同じ訴求を繰り返しても、新しい印象を与えられません。すでにサイトを訪問済みのユーザーには、初めて自社を知る人向けの説明的な訴求よりも、背中を押す訴求(比較検討に役立つ資料や、導入事例の紹介等)の方が響きやすくなります。また、除外リストの設定を後回しにしたまま配信を開始し、既存顧客にまで広告が表示され続けてしまうケースもあります。配信開始前に、除外リストの設定が正しく反映されているかを必ず確認します。設定確認を怠ると、既存顧客からの信頼を損ねるだけでなく、無駄な広告費の発生にも直結します。

まとめ

リターゲティング広告は、訪問ページ別のリスト分け、除外リストの併用、フリークエンシー管理、クリエイティブのローテーションを組み合わせることで、離脱ユーザーを逃さずに広告疲れも防げます。新規獲得の広告とは分けて効果を測定し、リストの状態を定期的に確認することが、継続的な改善につながります。リスト設計から効果測定の見方まで、リターゲティング広告の設計・運用に迷う場合は、当社へのご相談もご検討ください。

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よくある質問

Q リターゲティング広告は何日くらい配信を続ければいいですか?

A

業種や検討期間によりますが、30日前後を基準に、コンバージョンまでの平均的な検討期間に合わせて調整します。配信期間が長すぎると広告疲れの原因にもなります。

Q 除外リストは何を登録すればいいですか?

A

問い合わせ・資料請求を完了したユーザーや、既存顧客を登録します。コンバージョン済みのユーザーへの配信を止めることで、広告費の無駄を防げます。

Q フリークエンシーキャップはどれくらいに設定すればいいですか?

A

決まった正解はありませんが、1週間に数回程度を目安に設定し、反応を見ながら調整するのが現実的です。多すぎると広告への印象が悪化します。

Q 訪問者が少なくてもリターゲティング広告は成立しますか?

A

リスト規模が小さいと配信量が確保できず、効果を測定しづらくなります。一定のアクセス数が見込めるようになってから導入を検討するのが現実的です。

Q リターゲティング広告の設計・運用を相談できますか?

A

リスト設計から除外設定、クリエイティブのローテーションまで、広告運用支援の一環としてご相談いただけます。リターゲティング広告の設計・運用に迷う場合は、当社へのご相談もご検討ください。