商品やサービスの魅力を短時間で伝えられる商品紹介動画は、ECサイトからBtoBの製品ページ、採用サイトまで幅広く使われるようになっています。一方で、「どんな構成で撮ればよいのかわからない」「スマホで撮って見栄えは大丈夫なのか」「何秒にまとめればよいのか判断できない」という担当者も少なくありません。本記事では、商品紹介動画の作り方の全体像、尺別の構成と撮影ポイント、自社撮影と外注の境目、公開後の活用先と計測までを、初めて動画を企画する担当者にもわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 目的別の種類と、企画から計測までの5工程
  • 15秒・30秒・60秒の構成と尺の目安
  • 照明・背景・音声・手ブレの撮影ポイント
  • 自社撮影と外注の境目の判断基準
  • 縦型・横型の使い分けと公開後の活用先

商品紹介動画とは?目的別の種類と作り方の全体像

商品紹介動画とは、商品やサービスの特長・使い方・導入後の変化を、映像と音声で短時間に伝えるコンテンツです。写真や文章では伝わりにくい大きさ・質感・動き・操作の流れを見せられる点が、最大の強みです。

当社の写真・動画撮影サービスでは、撮影の企画・構成の段階からご相談を受けます。最初に確認するのは「誰に見せるのか」「どこで見せるのか」「見た後に何をしてほしいのか」の3点で、この整理が曖昧なまま撮影に入ると、撮り直しや編集での迷走につながります。

商品紹介動画は、目的によって見せる中心と適した尺が変わります。代表的な4種類を整理すると、次のとおりです。

種類 主な目的 見せる中心 主な掲載先
EC商品紹介 購入前の不安解消 大きさ・質感・使用シーン 商品ページ、SNS、広告
BtoB製品紹介 比較検討・商談の後押し 課題と解決の流れ、機能の動き 製品ページ、展示会、営業資料
サービス紹介 形のないサービスの理解促進 利用の流れ、導入後の変化 サービスページ、LP、ウェビナー
採用紹介 職場や仕事のイメージ共有 働く人・環境・一日の流れ 採用サイト、求人媒体、SNS

目的が違えば構成も尺も変わるため、撮影の前に「この動画で見た人に取ってほしい行動」を1つに絞っておくことをおすすめします。複数の目的を1本に詰め込むと、どの場面でも中途半端な動画になりやすいためです。

制作の流れは、企画、撮影、編集、公開、計測の5つの工程に分けて考えると整理しやすくなります。

商品紹介動画の制作を企画、撮影、編集、公開、計測の5つの工程で示したフロー図。企画では目的とターゲットと構成を決め、撮影では撮影リストに沿って素材を撮り、編集ではカットとテロップと音を整え、公開では掲載先に合わせた形式で配信し、計測では再生と行動を確認して改善につなげる流れを整理している

BtoBで動画をどの施策と組み合わせるかを先に整理したい場合は、「BtoBの動画マーケティング活用法|発注時に必ず確認すべき4つの点」もあわせてご参照ください。

商品紹介動画の構成と尺の目安は?15秒・30秒・60秒のテンプレート

商品動画の適切な長さは、掲載先と目的で決まります。当社の見立てでは、SNSや広告のように流し見される場では15〜30秒、商品ページや営業資料のように見る意思のある人が訪れる場では30〜60秒が扱いやすい目安です。

秒数そのものに唯一の正解はありません。重要なのは「冒頭で何を見せ、どこで特長を伝え、最後にどの行動へつなげるか」という配分です。尺別の構成例を表にまとめました。

尺 向いている場面 構成の配分
15秒 SNS投稿、広告、ショート動画 冒頭3秒で商品の主役を見せる、特長を1点だけ伝える、最後に行動を促す
30秒 商品ページ、SNS広告、展示会の映像 冒頭3秒のフック、課題や利用シーン、特長2〜3点、行動喚起
60秒 製品ページ、営業資料、サービス紹介 冒頭5秒のフック、課題、特長と使い方、導入後の変化と行動喚起

商品紹介動画の尺別構成を示すタイムライン図。15秒は冒頭のフック、主役ショット、行動喚起の3パート。30秒はフック、課題や利用シーン、特長2〜3点、行動喚起の4パート。60秒はフック、課題、特長と使い方、導入後の変化と行動喚起の4パートで、それぞれの秒数配分を並べて比較している

どの尺でも共通するのは、冒頭に商品の主役と価値を置き、特長は詰め込まずに絞る構成が現実的だということです。特長を5つも6つも並べた動画は、見終わった後に何も残らないケースが多くあります。

BtoBの製品紹介では、機能の網羅よりも「導入前後でどんな状態が変わるのか」を1本の流れで見せるほうが、商談の場で使いやすい動画になります。

商品動画撮影の準備と撮影ポイント(照明・背景・音声・手ブレ)

商品動画撮影で仕上がりを左右するのは、機材の価格よりも、照明・背景・音声・手ブレの4点をどこまで整えるかです。この4点は、スマホ撮影でも対策できます。

準備項目 よくある失敗 対策の考え方
照明 影が強く出る、色味が場所ごとに違う 窓からの自然光を基本にし、室内灯と混在させない。影が強い側は白い板などで反射させる
背景 生活感のある物が映り込む 無地の壁や布を使い、商品より目立つ物を画面から外す
音声 声が反響する、周囲の雑音が入る 静かな部屋で収録し、話す人の近くにマイクを置く。音声は映像と別に確認する
手ブレ 手持ちで画面が揺れる 三脚や固定具を使い、動かす場面は動きの速さをそろえる

準備の段階で欠かせないのが、撮影リスト(何をどの順番で撮るかを書き出した一覧)です。全体像を見せる引きのショット、質感や細部を見せる寄りのショット、使用シーンの動きのショットを、あらかじめ一覧にしておきます。

当社では、撮影の企画・構成のご相談を受ける際に、この撮影リストと簡単な絵コンテを先にご用意することを大切にしています。現場で「あのカットが足りない」となると、商品や会場を再度押さえる手間が発生するためです。

撮影当日は、1つのカットを長めに回します。編集で切り詰められるため、撮影は少し余裕を持って撮り、編集で絞り込む進め方をおすすめします。

商品紹介動画は自社で撮影できる?スマホ撮影のコツと外注の境目

商品紹介動画は、自社でも撮影できます。商品の紹介や使い方の説明といった用途であれば、スマホ撮影で十分に成立するケースが多くあります。

スマホで撮る際は、次のコツを押さえると見栄えが安定します。まず、レンズの汚れを撮影前に拭き取ります。次に、撮影設定は最高画質にそろえ、明るさとピントを固定して、撮影中に画面の明るさが揺れないようにします。そして、三脚か固定具を使い、動画の向き(縦か横か)を撮り始める前に決めておきます。

自社撮影と外注の境目は、撮る内容と、動画の使い道の重さで判断します。目安を表にまとめました。

判断の観点 自社撮影が向くケース 外注が向くケース
動画の役割 SNSやサイトの補足、社内向けの説明 企業や商品の第一印象を担う主力の動画
撮る対象 小型の商品、机の上で完結する操作画面 大型の設備、人物の出演、屋外や複数拠点の撮影
本数と更新頻度 継続的に撮り足す動画 作り込んだ1本を長く使う動画

クライアント支援の現場では、まず自社で撮れる範囲で始め、企業紹介や主力商品のように仕上がりが重要な動画から外注に切り替える進め方をよく見かけます。すべてを自社か外注のどちらかに決めるのではなく、動画ごとに役割を分けて判断するほうが現実的です。

外注を選ぶ場合の費用の考え方や会社選びの視点は、「動画制作・撮影の外注ガイドとは|費用相場と会社選びの4つの視点を解説」で整理しています。撮影の企画から編集までまとめて相談したい場合は、写真・動画撮影のサービスページもご覧ください。

商品紹介動画の編集と縦型・横型の使い分け

商品紹介動画の編集では、不要な部分のカット、テロップ、BGM、音量の調整という4つを整えれば、基本の品質が確保できます。

テロップは、音を出さずに視聴される場面を想定して入れておくと便利です。話している内容と特長のキーワードを字幕で補うと、音がなくても伝わります。

動画の向きは、掲載先で使い分けます。SNSのショート動画やスマホ中心の掲載先では縦型、サイトや展示会のモニター、YouTubeの通常動画では横型が基本です。

向き 比率の目安 向いている掲載先 撮影時の注意
縦型 9:16 SNSのショート動画、スマホ向けの広告 上下に字幕やボタンが重なるため、重要な要素を中央寄りに置く
横型 16:9 サイト、YouTube、展示会のモニター、営業資料 左右に余白を持たせ、画面全体を使って構図を組む

同じ撮影で両方を使いたい場合も、主に使う向きは撮影前に決めておくことをおすすめします。

映像の素材が足りない場面を補うために、動画生成AIを使うことを検討する担当者も増えています。ただし、商用利用の条件や著作権の確認が必要になるため、「動画生成AIのビジネス活用|商用利用の条件と著作権リスク・活用場面を解説」で条件を確認してから判断してください。

商品紹介動画の活用先と公開後の計測

商品紹介動画は、撮って公開して終わりではなく、複数の場所で使い回すことで費用対効果が高まります。商品ページやサービスページに掲載するほか、YouTubeへの投稿、SNSでの配信、広告、ウェビナーや展示会の映像、営業資料への埋め込みが主な活用先です。

YouTubeを中心に継続して動画を公開する場合は、「BtoB企業のYouTube運用術とは|チャンネル戦略の基本と手順」が参考になります。動画を広告として配信する場合は、「BtoB企業のYouTube広告活用法|動画広告の設計と運用のコツ」で設計の考え方を整理しています。ウェビナーの中で製品を紹介する場合は、「ウェビナー運営の実践ガイドとは|企画から集客までの実践5ステップ」もあわせて確認してください。

自社サイトに動画を掲載する場合は、検索エンジンに動画を認識してもらう工夫も必要です。Google 検索セントラルの「動画の SEO ベスト プラクティス」(2026年9月26日)によれば、ビジネスに合う場合は動画ごとに専用の動画再生ページを作ることが案内されており、動画を認識させるには、有効で安定したURLのサムネイル画像が必要とされています。

掲載後は、Search Consoleで動画がインデックスされているかを確認することをおすすめします。

当社では、公開後の計測項目も企画の段階で決めておくことを重視しています。動画の再生数だけでなく、最後まで見られたか、その後に資料請求や問い合わせなどの行動が起きたかを合わせて確認します。再生数が伸びても行動につながらない場合は、動画の構成や、最後の行動喚起の見直しが必要なサインです。企画時に決めた「取ってほしい行動」に照らして、次の動画に改善を反映していきます。

まとめ

商品紹介動画の作り方は、目的を1つに絞り、尺別の構成に沿って撮影リストを作り、照明・背景・音声・手ブレの4点を整えることが基本です。自社撮影と外注は動画ごとの役割で使い分け、公開後は活用先ごとに行動までの流れを確認します。

商品動画撮影の企画や構成に迷う場合は、当社へのご相談もご検討ください。

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よくある質問

Q 商品紹介動画はどう撮影すればいいですか?

A

撮影前に目的と見せたい特長を絞り、撮影リスト(何をどの順で撮るかの一覧)を作ります。そのうえで、窓からの自然光で照明を整え、無地の背景を用意し、三脚で固定して引き・寄り・使用シーンの順に撮る流れが基本です。

Q 商品動画の適切な長さは?

A

掲載先で変わります。SNSや広告は15〜30秒、商品ページや営業資料は30〜60秒が扱いやすい目安です。秒数の長短よりも、冒頭で商品の主役を見せ、特長を絞り込む構成のほうが、最後まで見てもらうためには重要です。

Q 商品紹介動画は自社で撮影できますか?

A

小型の商品や操作画面の紹介など、撮る対象が単純な動画であれば、スマホでも撮影できます。企業や主力商品の第一印象を担う動画や、人物の出演・大型設備の撮影を伴う動画は、外注を検討するケースも多くあります。

Q 商品動画撮影で、スマホ撮影の画質を上げるコツはありますか?

A

レンズの汚れを拭き、最高画質に設定し、三脚で固定します。照明は自然光を基本にして、室内灯と混在させないことが有効です。音声は映像とは別に、静かな環境で収録して確認します。撮影前の小さな準備で、見栄えは大きく変わります。

Q 商品紹介動画の構成や撮影ポイントを相談できますか?

A

当社では、写真・動画撮影サービスの中で、撮影の企画・構成の段階からご相談を受けています。目的の整理や構成の組み立てで迷う場合は、商品紹介動画の構成や撮影ポイントについて、当社へのご相談もご検討ください。