見込み顧客への架電やメール対応を外部に任せるインサイドセールス代行を、体制づくりの選択肢に入れる企業が目立ちます。一方で、「代行と内製のどちらが自社に合うのか分からない」「任せる範囲と社内に残す範囲の線引きが難しい」「代行会社を何で比べればよいのか判断できない」という声をいただく機会が増えています。本記事では、インサイドセールス代行の内容、内製との比較、任せる範囲の決め方、料金体系の種類、代行会社の確認項目、委託後の連携の進め方を解説します。

この記事でわかること
  • インサイドセールス代行で依頼できる業務と、向いている企業
  • 代行と内製を比べる5つの観点
  • 任せる範囲と社内に残す範囲の決め方、料金体系の種類
  • 代行会社を選ぶときの6つの確認項目
  • 委託後のリード引き渡しの進め方と、迷ったときの判断の起点

インサイドセールス代行とは?依頼できる業務と向いている企業

見込み顧客への架電・メール・オンライン面談といった非対面の接点づくりと、商談につなげられるかの見極めを、外部の会社が担う形態です。

インサイドセールス(訪問せず、電話・メール・オンライン会議で見込み顧客とやり取りし、商談につなげる営業活動)は、マーケティングが獲得したリードと、営業が対応する商談の間を受け持ちます。依頼される業務は、リードの整理、メール配信などによる育成、架電によるアポイント獲得、商談化の基準づくりと営業への引き渡しの4つに大きく分かれます。

代行が向いているのは、問い合わせや展示会で獲得したリードがあるのに対応する人手が足りない企業、内製に切り替える前に型をつくりたい企業、営業担当を商談に集中させたい企業です。内製の立ち上げ手順はインサイドセールス立ち上げの5ステップ|中小企業向け体制構築ガイドが詳しい記事です。

インサイドセールスを外注する場合は、代行を内製の代わりではなく、人手と経験が足りない工程を補う手段として位置づけることが、任せる範囲を決める出発点です。

代行と内製はどう違う?体制を比べる5つの観点

違いは、立ち上がりの速さ、ノウハウの蓄積、費用の持ち方、商材理解、社内との連携の5つの観点で整理できます。

観点 代行 内製
立ち上がりの速さ 経験のある担当が既存の型で始められるため、採用や育成の期間を省きやすい 採用、教育、ツール設定が必要で、稼働までに時間がかかる
ノウハウの蓄積 改善の知見は委託先に残りやすく、共有の取り決めがないと自社に残らない 担当者と社内に蓄積されるが、異動に備えた記録が必要
費用の持ち方 稼働量や成果に応じた費用として扱いやすく、規模の増減に合わせやすい 人件費とツール費を固定費として持つ
商材理解 共有に時間がかかり、専門性が高いほど立ち上がりに差が出る 日々の業務で深めやすく、営業との認識も合わせやすい
社内との連携 引き渡しや報告の仕組みを意図的につくる必要がある 同じ組織のため、日常的に共有しやすい

インサイドセールスの代行と内製を5つの観点で比べた2カラムの図。立ち上がりの速さ、ノウハウの蓄積、費用の持ち方、商材理解、社内との連携ごとに、代行側と内製側の特徴を左右に並べ、下部の注記で工程ごとに使い分ける考え方を示している

向き不向きは、リードの量、商材の複雑さ、社内の人員で変わります。内製と外注の判断を投資対効果から考える枠組みはマーケティング内製化と外注の判断基準|投資対効果から考える分岐点とはを参照してください。

代行か内製かの二択にせず、設計は社内、架電やメール配信の実行は代行というように工程で分ける方法も選べます。一括で決めず、工程ごとに代行と内製を分けて考えることをおすすめします。

代行に任せる範囲と社内に残す範囲の決め方

実行の作業は任せやすく、判断の軸になる部分は社内に残します。商材の価値の伝え方、商談化の基準、営業への引き渡しの最終判断は自社が持ち、リード対応の実務量が多い作業を代行に回す分け方が現実的です。

当社では、Webサイト制作でデザインに着手する前に、ターゲット・提供価値・ゴールを言語化しています。インサイドセールスの委託でも同じ整理が土台になり、誰に何を伝えて何を達成するかが文章になっていると、代行会社のトークや配信内容の設計がぶれません。

工程 任せ方 理由
ターゲットと提供価値の整理 社内に残す 事業の判断であり、トークや配信の軸になる
リードの整理と名寄せ 任せやすい 作業量が多く、手順化しやすい
メール配信などによる育成 設計は共同、配信は任せやすい 事例など商材の情報は社内からの提供が必要
架電とアポイント獲得 任せやすい 経験と工数が成果に直結しやすい
商談化の基準づくり 共同で決め、最終判断は社内 営業の受注に直結し、営業の納得が必要
商談後の対応と受注 社内に残す 営業担当が顧客と向き合う本来の業務

商談化の基準は、リードの関心度や行動をもとにした評価の考え方が土台です。評価基準の作り方はリードスコアリング設計とは|MAツールでの評価基準の作り方の基本が参考になります。

Webサイト上の一次対応は、人が行わずにAIチャットボットで担う選択肢もあります。当社は営業DXやリード獲得を支援するAIチャットボット「AIComms」を自社で開発・運営しており、活用の考え方はAIチャットボット活用によるIS効率化|導入時に押さえる3つのポイントが詳しい記事です。

インサイドセールス代行の費用の考え方と料金体系の種類

料金体系は、月額固定型、成果報酬型、固定と成果を組み合わせた型の3種類に大別できます。会社によって名称や組み合わせは異なるため、金額の大小より先に、何に対して費用が発生する仕組みかを見ます。

料金体系 費用が発生する単位 向きやすい場面 確認したい点
月額固定型 担当者の稼働量や業務範囲に対して、毎月一定額 架電やメール配信を継続して回したい場合、業務範囲が明確な場合 稼働時間や架電件数の上限、範囲外の業務の扱い
成果報酬型 アポイント獲得など、成果1件ごと 成果の定義が明確で、小さく始めたい場合 1件の数え方(日程の確定時か、商談の実施時か)、キャンセル時の扱い
固定と成果の組み合わせ型 基本の月額と、成果に応じた追加分 稼働と成果の両方を重視したい場合 基本料金に含まれる業務、成果分の算定条件

料金体系のほかに、初期設計、MAツールなど利用するツール、レポート作成の費用が別になる場合もあります。含まれる業務が揃っていないと、見積もりの総額を並べても同じ条件では比べられません。

成果報酬型は初期の負担を抑えやすい反面、「成果」が何を指すかで中身が変わります。商談化の基準を満たしたものを1件と数えるかまで、契約前に取り決める方法が確実です。支援会社に共通する費用の見方はマーケティング支援会社の選び方|コンサルとの違いと費用相場の目安を解説を参照してください。

金額の安さで選ばず、料金に含まれる業務と成果の数え方を揃えて比べることが大切です。具体的な金額は、各社の見積もりで確かめる項目です。

インサイドセールス代行会社を選ぶときの確認項目

確認項目は、対応範囲、商材理解の進め方、報告と指標、個人情報の取り扱い、改善の進め方、契約期間と引き継ぎの6つです。

確認項目 見るポイント 確認の仕方
対応範囲 MA運用、メール配信、架電、商談化の見極めのどこまで含まれるか 業務ごとに、含む・含まないを書面で確認する
商材理解の進め方 商材やターゲットの学び方、稼働開始までの期間 導入時の手順と、トークスクリプトを自社が確認できるかを聞く
報告と指標 報告の頻度、架電数や商談化数など見る指標、数字の定義 報告のサンプルを見せてもらう
個人情報の取り扱い リード情報の管理体制、再委託の有無、アクセス権限 契約書の個人情報の条項と、再委託先の有無を確認する
改善の進め方 結果をもとにトークやシナリオを見直す頻度と方法 定例の場で、どの項目を見直すかを聞く
契約期間と引き継ぎ 最低契約期間、解約時にリストや接触履歴、MAの設定を渡してもらえるか 契約書の解約条項と、データの帰属を確認する

当社もインサイドセールス支援を提供しています。ここで挙げた6項目は、当社に依頼する場合も含め、どの会社を検討するときにも同じように使える観点です。

IS代行の選び方で見落とされやすいのは、最後の引き継ぎです。接触履歴が委託先にしか残らない契約だと、内製に戻すときに育てたリードの状態が失われます。

当社は、代表が100社以上のデジタルマーケティング支援に携わってきた会社です。当社のインサイドセールス支援では、MAツールの導入とシナリオ設計だけの依頼から、コールによるアポイント獲得まで含むフルサポートまで、範囲を選べます。

委託後の連携の進め方とリード引き渡しの取り決め

委託後は、引き渡しの基準、共有の場、フィードバックの3点を最初に決めます。連携は4つのステップで回り、営業からの結果の共有が次の改善の材料です。

委託後の連携の流れを示す4ステップのフロー図。リード情報の共有、代行会社によるアプローチ、基準を満たしたリードの営業への引き渡し、営業から代行会社への結果のフィードバックの順に進み、フィードバックが次のアプローチの見直しに戻る循環を描いている

1つ目はリード情報の共有です。流入元、閲覧したページ、問い合わせの内容、これまでの接触履歴を渡します。当社でも、記事ごとに関連サービスへの導線と記事末のCTAを出し分ける仕組みをテーマ側に実装しています。どの導線から来たかで関心が変わるため、流入元を添えると最初の一言を決めやすくなります。

2つ目は代行会社によるアプローチ、3つ目は営業への引き渡しです。引き渡しは、事前に決めた基準を満たしたリードだけを対象にし、確認できた課題と検討状況を添えます。基準に届かないリードは、リードナーチャリングの設計方法|効果的なシナリオ実装の3つの型とはの考え方で育成に戻すと、接点を保てます。

4つ目のフィードバックは、営業が商談の結果と見送りの理由を代行会社に返すことです。定例の場で、商談化したリードの共通点と見送りの傾向を共有すると、トークや配信内容を見直せます。頻度は、リードの量と営業の稼働に合わせて決めます。

インサイドセールス代行で迷ったときの判断の起点

最初に見るのは、保有しているリードの状況と、社内に残したい判断の2点です。次の条件分岐で、着手する順番を決められます。

リードの数が少なく、対応も社内で回っている場合は、代行の前にリードの整理と育成シナリオの設計から始めます。設計が固まれば、代行に出す範囲も絞り込めます。

獲得したリードがあるのに架電やメールの手が回っていない場合は、実行部分の一部委託から始めます。シナリオと商談化の基準は社内で決め、実務を任せる形です。

商材が専門的で、トークの設計に深い理解が必要な場合は、設計とトークの作成を社内で行い、実行を代行に任せます。

比較したい会社が複数ある場合は、確認項目の6つを同じ質問票にして、同じ条件で見積もりを依頼します。どの条件にも当てはまらない場合は、保有リードの数、営業が未対応のリード、これまでの接触の記録の3点を一覧にするところから始めることをおすすめします。

この一覧があれば、相談先にも条件を伝えられます。リードの育成から商談化までの支援はインサイドセールスで取り扱っています。

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よくある質問

Q インサイドセールス代行とは何ですか?

A

インサイドセールス代行とは、見込み顧客への架電、メール配信、オンライン面談の調整といった非対面の接点づくりと商談化の見極めを、外部の会社に任せる形態です。リードの整理から営業への引き渡しまでの工程を、全体または一部で委託します。

Q インサイドセールス代行と内製はどう違いますか?

A

立ち上がりの速さ、ノウハウの蓄積、費用の持ち方、商材理解、社内との連携の5つの観点で違いが出ます。代行は早く始めやすく、内製は知見が社内に残りやすい特徴があります。工程ごとに使い分ける方法もあります。

Q インサイドセールスを外注するときの費用はどう考えればよいですか?

A

月額固定型、成果報酬型、両者の組み合わせ型という料金体系の違いと、料金に含まれる業務の範囲で比べます。初期設計やツール、レポートの費用が別になる場合もあるため、金額は各社の見積もりで条件を揃えて確認してください。

Q IS代行の選び方で最初に確認することは何ですか?

A

最初に、対応範囲と、解約時の引き継ぎを確認します。MA運用、メール配信、架電、商談化の見極めのどこまで含まれるか、接触履歴やリストを自社に渡してもらえるかを書面で確かめると、後の認識の違いを防げます。詳しくはマーケティング支援会社の選び方|コンサルとの違いと費用相場の目安を解説をご覧ください。

Q インサイドセールス代行に委託したあと、営業との連携はどう進めますか?

A

リード情報の共有、代行会社のアプローチ、基準を満たしたリードの引き渡し、営業から代行会社へのフィードバックの4つのステップで回します。引き渡しの基準と定例の場を最初に決めておくと運用が安定します。ご不明な点については、当社へのご相談もご検討ください。