社員インタビュー動画は、文章だけでは伝わりにくい人柄や仕事の実感を届ける手段として、採用サイトやサービス紹介ページで活用が進みました。一方で、「何を質問すれば本音が引き出せるのか」「採用向けとサービス紹介向けで構成をどう変えるのか」「撮影当日に社員が緊張して話せなくなる」といった点が課題になっています。本記事では、社員インタビュー動画の作り方を、採用向けとサービス紹介向けの違い、質問例と構成の組み方、撮影当日の進め方、公開前の確認と制作を依頼する場合の相談先に分けて解説します。
- 採用向けとサービス紹介向けの5つの違い
- 目的別の質問例と、質問を作るときの考え方
- 導入から締めまでの4パート構成と尺の目安
- 撮影当日の進め方と、公開前の確認・公開先の選び方
- 制作を外部に任せる目安と、依頼先への確認項目
社員インタビュー動画とは、何を伝える動画か
実際に働く社員が、仕事の内容や職場の雰囲気を自分の言葉で語る様子を撮影した動画のことです。話し方や表情から見える人柄と仕事への向き合い方を、文章や写真より直接届けられる点が特長です。
用途は、求職者に働く環境を伝える採用向けと、見込み顧客にサービスを提供する側の考え方を伝えるサービス紹介向けの2つです。同じ社員が出演しても、聞く内容と見せ方は変わります。なお、顧客が導入の体験を語る「お客様の声」の動画は、顧客が出演する別の形式のため、本記事では扱いません。
当社は、写真・動画撮影のサービスとして、働く人の表情や職場の空気感を伝える採用・ブランディング動画を提供しています。動画活用の全体像はBtoBの動画マーケティング活用法|発注時に必ず確認すべき4つの点で整理しており、本記事ではインタビュー形式に絞ります。
採用領域の動向は採用・人事業務のAI活用最前線|2026年に注目したい3つの動向もあわせてご覧ください。当社では、本記事の企画時に、公開済みの120本以上の記事のタイトル・見出し・メインKWを突き合わせ、インタビュー形式の動画に絞った記事がないことを確認しています。
採用向けとサービス紹介向けで違う、目的・出演者・見せ方
違いが最も出るのは、見る人が動画を見たあとに取る行動です。目的が変われば、出演者、質問、トーンも変わります。

| 観点 | 採用向け | サービス紹介向け |
|---|---|---|
| 見る人の次の行動 | 応募、説明会やカジュアル面談への参加 | 問い合わせ、資料請求、相談 |
| 主な視聴者 | 新卒や中途の求職者 | サービスの導入を検討する担当者や経営者 |
| 出演者 | 職種や年次が異なる複数の社員。入社の経緯を自分の言葉で話せる人 | 提案、制作、開発など実務を担う社員。サービスの進め方を説明できる人 |
| 語る内容 | 入社の理由、1日の流れ、やりがいと大変さ、職場の人間関係 | 担当業務、お客様の課題の捉え方、進め方、選ばれている理由 |
| トーンと尺の目安 | 親しみやすく自然体。2〜3分程度 | 専門性と信頼感を重視。1〜2分程度 |
実務では、採用向けは複数名のインタビューを並べて職場の多様さを見せ、サービス紹介向けは1人が1つのテーマを語る形が組みやすい傾向です。
当社では、デザインに着手する前にターゲット・提供価値・ゴールを言語化します。動画でも同じで、誰に見せて何をしてもらう動画かを先に決めると、出演者と質問の選定で判断が割れません。
同じ社員のインタビューでも、採用向けは「働く自分を想像できるか」、サービス紹介向けは「任せて大丈夫か」に答える内容にそろえることが、質問と構成を迷わないための出発点です。
社員インタビュー動画の質問例を、目的別に用意する
質問は、本編に使う5〜8問に予備の数問を足した10問前後が目安です。答えやすい自己紹介から入り、きっかけ、仕事の中身、やりがいと難しさ、職場の様子、締めの順に聞くと、話が自然につながります。
| 区分 | 採用向けの質問例 | サービス紹介向けの質問例 | 引き出したいこと |
|---|---|---|---|
| 自己紹介 | 今の仕事内容と、入社何年目かを教えてください | 担当業務と、どんなお客様を支援しているかを教えてください | 立場と専門領域 |
| きっかけ | この会社を選んだ理由は何ですか | この仕事に取り組むきっかけは何でしたか | 動機と人柄 |
| 仕事の中身 | 1日の流れを教えてください | 相談から納品までの進め方を教えてください | 具体的な行動 |
| やりがいと難しさ | 印象に残っている場面と、最初の苦労は何ですか | お客様の課題を整理するときに大切にしていることは何ですか | 価値観と判断の軸 |
| 職場やチーム | 職場の雰囲気と、チームでの関わり方を教えてください | 社内でどう連携して提案を作りますか | 環境と体制 |
| 締め | 応募を考える方へのメッセージをお願いします | 検討中の方へのメッセージをお願いします | 見る人の次の行動 |
「はい」「いいえ」で終わる質問は避け、「どんな場面で」「なぜそう考えたのか」と聞いて具体的な場面を引き出します。制度や数字の説明は、募集要項やサービス資料に任せたほうが正確です。
質問は、制度や数字を求めるより、具体的な場面と気持ちの動きを聞くほうが、その人らしい言葉が出やすいものです。質問は撮影前に共有し、回答の暗記ではなく話したい内容のメモを作ってもらう程度に留めると、自然な表情が残ります。
インタビュー動画の構成の作り方と尺の目安
導入、自己紹介、本題、締めの4パートで組むと、見る人が迷わず最後まで視聴できます。質問の順番と動画の順番は同じとは限らず、撮影した回答を編集で並べ替えて仕上げます。

当社の写真・動画撮影では、目的・活用シーンの確認、構成・絵コンテ設計、撮影、編集・納品・活用提案の4段階で進めます。インタビュー動画に置き換えると、質問を決める前に誰に何をしてほしい動画かを確かめ、撮影当日に迷わないよう質問と構成の案を用意する形です。
| パート | 内容 | 採用向けの尺の目安 | サービス紹介向けの尺の目安 |
|---|---|---|---|
| 導入 | 結論に近い一言や、動画の主題を示すテロップ | 約10秒 | 約5秒 |
| 自己紹介 | 名前、所属、役職、担当業務 | 約15〜20秒 | 約10〜15秒 |
| 本題 | きっかけ、仕事の中身、やりがいと難しさ、進め方 | 約90〜120秒 | 約40〜70秒 |
| 締め | 見る人へのメッセージと、次の行動の案内 | 約15〜20秒 | 約10〜15秒 |
尺は、公開先に合わせて調整します。本題の一部を30秒から1分程度に切り出し、SNS用の短尺版として使う方法もあります。商品を扱う動画の構成と尺は商品紹介動画の作り方|自社撮影のコツと構成・尺の目安、活用先まで解説にまとめました。
質問の順番をそのまま動画の順番にせず、結論に近い一言を冒頭に置くと、最初の数秒で見続ける理由を示せます。
撮影当日の進め方と、話しやすい環境の整え方
当日の成否を分けるのは、機材よりも、出演者が緊張せずに話せる状態を作れるかどうかです。撮影の前に雑談の時間を取り、1問目は答えやすい自己紹介にして、硬さをほぐします。
収録では、映像より音声を優先します。ピンマイクなどで声を拾い、空調や人の出入りの音が入らない場所を選びます。カメラは聞き手の斜め後ろに置き、目線を聞き手に向けてもらうと、カメラ目線よりも自然な表情が残ります。質問の言葉は編集で使わない場合が多いため、答えの冒頭で質問の内容を繰り返してもらいます。
言い直しは何度でもできると伝え、1問ごとに少し間を置いて収録します。職場の様子や手元の作業など、話に重ねる補助の映像も合間に撮っておくと、編集の選択肢が増えます。進行表と確認項目は撮影前の準備リスト|当日の手戻りをなくす進行表の作り方と確認項目をご覧ください。
話しやすさは、機材の性能よりも、撮影前に質問を共有し、言い直しができると伝えておく準備で決まります。
公開前の確認と、公開先・活用方法の選び方
公開前には、出演者本人と所属長による内容の確認を行います。見る項目は、発言内容、制度や数字の最新性、BGMや素材の権利、社名や肩書の表記、字幕の誤りです。出演は本人の同意のもとで行い、公開の範囲を撮影前に伝えます。
採用向けの動画を募集の案内として公開する場合は、募集情報の表示のルールも意識します。厚生労働省「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について」(2026年10月23日閲覧)によれば、インターネットやSNSを含む広告等で労働者の募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、募集広告には募集主の名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の表示が必要です。動画で語る働き方や待遇の説明が募集要項と食い違わないよう、掲載ページに募集要項を置きます。
公開先は、見る人の目的に合わせて選びます。採用向けは、応募の判断をする採用サイトに置くのが基本で、サイトの構成は採用サイトの作り方|応募につながる構成と掲載する情報・制作の進め方を解説で解説しました。サービス紹介向けは、サービスページや事例ページ、営業資料に埋め込みます。YouTubeやSNSへの配信は、動画の長さで使い分けます。
当社の自社サイトでは、記事ごとに関連サービスへの導線と記事末のCTAを出し分ける仕組みをテーマ側に実装済みです。動画も同じ考え方で、置くページごとに見た人の次の行動を決め、採用ならエントリー、サービス紹介なら問い合わせへの導線を動画のそばに置きます。
当社でも、自社サイトの記事には公開日と最終更新日を画面上に表示する仕組みを設けました。動画は撮影時点の情報のため、異動や退職、制度の変更で内容が古くなる場合があります。公開日と、所属や制度の記載を見直す時期をあらかじめ決めておくと、運用が止まりません。
社員インタビュー動画の制作を依頼する場合の相談先
外部に相談する目安は、撮影と編集の工数を社内で確保できないとき、または収録の経験者がおらず音声や映像の品質に不安があるときです。質問の最終案、出演者の選定と同意の取得、公開前の内容の確認は、社内に残す判断です。
依頼先には、4点を確かめます。企画と質問設計まで含むのか。撮影の人数、時間、場所はどうなるか。編集は字幕、短尺への切り出し、修正の回数までか。納品後の権利は、二次利用、出演者の映像の扱い、BGMの権利をどう整理するか。外注先の種類と見積もりの見方は動画制作・撮影の外注ガイドとは|費用相場と会社選びの4つの視点を解説が参考になります。
当社は、写真・動画撮影で、採用やブランディング向けの動画について、目的の確認から構成の設計、撮影、編集、活用の提案までの相談に対応します。依頼の前に、動画を見てほしい相手、公開先、公開時期の3点を整理しておくと、見積もりの前提がそろいます。
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よくある質問
Q 社員インタビュー動画の作り方は?
目的と活用先を決め、出演者と質問を選び、撮影して回答を集め、導入・自己紹介・本題・締めの4パートに並べ替え、尺と字幕を整える5ステップで進めます。採用向けかサービス紹介向けかを最初に決めることで、出演者と質問の判断が揃います。
Q 採用向けとサービス紹介向けの社員インタビューの違いは?
見る人が取る行動が違います。採用向けは応募や面談への参加、サービス紹介向けは問い合わせや資料請求です。そのため出演者、質問、トーン、尺が変わります。動画全体の活用はBtoBの動画マーケティング活用法|発注時に必ず確認すべき4つの点も参考になります。
Q 社員インタビュー動画の質問例を教えてください
自己紹介、きっかけ、仕事の中身、やりがいと難しさ、職場やチーム、締めの6区分で用意します。例として「1日の流れを教えてください」「お客様の課題を整理するときに大切にしていることは何ですか」があり、本編に使う5〜8問に予備を足した10問前後が目安です。
Q インタビュー動画の構成はどう組み、尺はどのくらいにしますか?
導入、自己紹介、本題、締めの4パートで組みます。尺の目安は、採用向けが2〜3分程度、サービス紹介向けが1〜2分程度です。公開先で調整し、SNS用には30秒から1分程度の短尺に切り出す方法もあります。商品を扱う動画は商品紹介動画の作り方|自社撮影のコツと構成・尺の目安、活用先まで解説で解説しています。
Q 社員インタビュー動画の制作を相談することはできますか?
写真・動画撮影として、目的の確認から構成の設計、撮影、編集、活用の提案まで相談を受けています。依頼前に、動画を見てほしい相手、公開先、公開時期を整理しておくとスムーズです。社員インタビュー動画の作り方や進め方については、当社へのご相談もご検討ください。