特定のサービスの魅力を伝える専用のWebサイトを立ち上げ、問い合わせの入口にしたいと考える企業が増えています。一方で、「どのページを用意すればよいのか分からない」「サイトマップをどう組み立てればよいのか判断できない」「コーポレートサイトとの切り分けに迷う」という担当者も少なくありません。本記事では、サービスサイトの構成を、コーポレートサイトとの違い、必要なページ一覧、サイトマップと階層の決め方、ナビゲーション、公開前の確認項目の順に解説します。

この記事でわかること
  • サービスサイトの役割と、コーポレートサイトとの違い
  • 問い合わせにつながる基本の7ページ
  • サイトマップと3階層の決め方
  • ナビゲーションとページ間の導線の組み立て方
  • ページごとの情報の優先順位と、公開前の6つの確認項目、外部に相談する目安

サービスサイトとは?コーポレートサイトとの違い

1つのサービスを検討している人に役割を絞り、問い合わせや資料請求につなげる専用のWebサイトです。コーポレートサイトが会社全体を紹介するのに対し、読者と構成の考え方が異なります。

比較の軸 コーポレートサイト サービスサイト
想定する読者 取引先、求職者、株主など幅広い関係者 そのサービスを検討している担当者・経営者
構成の考え方 情報の種類ごとに分類する 検討が進む順にページを並べる

ランディングページ(LP)は、1つの行動への誘導に特化した縦長の1ページで、複数ページで比較検討に応えるサービスサイトとは構造が違います。LPの設計はBtoBサービスのランディングページの作り方|CVRを高める7つの設計手順を参照してください。

当社では、デザインに着手する前にターゲット・提供価値・ゴールを言語化し、そのうえでページ構成を設計します。サービスサイトは会社紹介の延長で作ると情報が散らばりがちです。会社の情報を網羅するのではなく、検討する人が知りたい順にページを並べることをおすすめします。

サービスサイトの構成に必要なページ一覧

トップ、サービス概要、特徴と強み、料金と導入の流れ、事例、よくある質問、資料請求・問い合わせの7ページが基本です。検討を始めた人が「何ができるのか」「自社に合うのか」「どう進めるのか」の順に疑問を解消できる並びにします。

ページ ページの役割 主な掲載要素
トップ サービスの全体像を伝え、各ページへ案内する 誰のどんな課題を解決するか、各ページへの入口
サービス概要 提供内容を正確に理解してもらう 提供範囲、対象となる企業、進め方の概略
特徴と強み 他の選択肢との違いを伝える 選ばれる理由、仕組み、対応できる範囲
料金と導入の流れ 検討の見通しを示す 料金が決まる要素、導入までのステップ、期間の目安
事例 自社の場合を想像してもらう 導入前後の状態の変化、利用場面、担当者の声
よくある質問 問い合わせ前の疑問に答える 進め方・対応範囲の質問と回答
資料請求・問い合わせ 行動を完了してもらう フォーム、個人情報の取り扱い、受付後の連絡

サービスサイトの基本構成を3階層で示した構造図。第1階層のトップから、第2階層のサービス概要、特徴と強み、料金と導入の流れ、事例、よくある質問の5ページへ進み、事例とサービス概要の配下に第3階層の詳細ページを置く。どのページからも資料請求・問い合わせへ進める

このほか、会社概要、お役立ちコンテンツ、プライバシーポリシーの3ページを補助ページとして用意し、フッターから案内するのが一般的です。お役立ちコンテンツには、当社でも公開日と最終更新日を画面上に表示する仕組みをテーマ側に実装済みです。当社は自社サイトの全記事にFAQを5問設け、問い合わせ前に出やすい疑問を会話形式の言い回しに寄せました。

ページ数は商材に応じて増減します。料金を公開しない場合は、金額の代わりに「何によって料金が変わるか」を載せると、検討の見通しを示せます。事例を出せない場合は、導入前後の状態の変化で代えることもできます。

検討段階ごとに読者の疑問が変わる考え方はカスタマージャーニーマップの作り方|実践的なテンプレートと活用事例が参考になります。

サイトマップの設計とページ階層の決め方

必要なページを洗い出し、親子関係と並び順を図にして決める作業です。当社の支援では、ページ一覧と階層を先に決めてから、ワイヤーフレームとデザインに入ります。デザインや原稿の途中で構成が変わると、作り直しが大きくなるためです。

なお、ここでいうサイトマップは、検索エンジンにURLを伝えるサイトマップファイルとは別のものです。Google 検索セントラル「Learn about sitemaps」(2025年12月10日更新、2026年10月9日閲覧)によれば、サイトマップファイルはページや動画などのファイルと、それらの関係についての情報を伝えるもの、という位置づけです。同資料では、約500ページ以下の小規模なサイトで、ページが適切にリンクされていれば、サイトマップファイルは必ずしも必要ではないとも示されています。サービスサイトの規模なら、まず階層とリンクの設計を固めることが先です。

手順 やること 判断の目安
ページを洗い出す 検討する人の疑問を書き出し、答えるページの候補にする 1つの疑問に1つのページを当てる
グループにまとめる 同じ検討段階の疑問を、同じ親ページの下にまとめる 読者が「ここにあるはず」と予想できる分類にする
階層を決める トップから各ページまでの深さと並び順を決める 主要な情報へ3階層以内で到達できる構成が目安
名称とURLを決める ナビゲーションの名称とURLの命名を揃える メニュー名・ページの見出し・URLの語を一致させる

階層は深くするほど、読者が目的のページにたどり着く操作が増えます。サービスサイトでは、主要な情報にトップから3階層以内で到達できる構成が現実的です。第2階層は5ページ前後に収まるケースが多く、事例が複数ある場合やプラン・機能ごとに説明が必要な場合は、第3階層に詳細ページを置きます。

サイトマップが固まると、ページごとに必要な機能や更新の担当が見えてきます。次の段階では、それらを要件として整理し、制作会社へ伝える形にまとめます。

ナビゲーションとページ間の導線の設計

決めた階層を読者が迷わず行き来できるよう、メニューとリンクの置き場所を決める作業です。

ナビゲーションの要素 役割 設計の目安
グローバルナビ 主要ページへ常に移動できる 項目は5〜7個程度に絞り、第2階層の主要ページを並べる
フッター 補助ページと全体の入口を示す 会社概要、プライバシーポリシーなどの補助ページを置く
パンくずリスト 現在地と上位ページを示す 第3階層のページに設け、上位ページへ戻れるようにする
ページ末尾のリンク 次に読むページへ案内する 検討が進む順の次のページを1〜2つ置く
固定の問い合わせボタン どのページからも行動に進める 画面上部または下部に常設する

ナビゲーションの項目と名称は、ワイヤーフレームの段階で確定させ、デザインレビューでは変えない前提にすると手戻りが減ります。メニューの名称は社内の呼び方ではなく、検討する人が検索や相談で使う言葉に合わせることをおすすめします。

実装面では、Google 検索セントラル「Link best practices for Google」(2025年12月10日更新、2026年10月9日閲覧)によれば、Googleがたどれるリンクはhref属性を持つa要素に限られる、という説明です。同資料では、リンクの文言も遷移先が分かる具体的な内容にし、「こちら」のような汎用的な表現を避けることが示されています。関連ページ同士をつなぐ考え方は、内部リンク設計の基本と実装|SEOに効く情報アーキテクチャの作り方にまとめました。

ページの中でCV(問い合わせや資料請求)へ進める導線やファーストビューの考え方は、CV率を高めるBtoBサイトの作り方|構成設計の実践ポイントとはで詳しく取り上げます。本記事は、ページの並びとナビゲーションの設計までが範囲です。

ページごとに載せる情報の優先順位

結論、根拠、疑問への回答、次の行動の4層を、上から優先度の高い順に並べるのが基本です。読者が最初に知りたいのは「このページで何が分かるか」であり、詳細な仕様や補足は下の層に回します。

ページ内の情報の優先順位を結論、根拠、疑問への回答、次の行動の4層で示した多層カード図。各層に載せる情報の例と、上から順に優先度が高いことを整理している

当社は自社サイトで、記事ごとに関連サービスへの導線と記事末のCTAを出し分ける仕組みをテーマ側に実装しました。この出し分けは、ページごとに「次に何をしてほしいか」を決めることが前提です。サービスサイトでも、各ページの次の行動を1つに絞ってから載せる情報を選ぶと、迷いのない構成に近づきます。

検討の前半のページは次の説明ページへ、後半のページは資料請求や問い合わせへ誘導します。優先順位は、載せたい情報の多さではなく、そのページで読者に取ってほしい行動から逆算することが重要です。

サービスサイトの作り方と公開前の構成チェック

目的の整理、サイトマップの設計、ワイヤーフレーム確認、デザインと原稿の制作、テストアップレビュー、公開の順です。

公開前には、どのページからも問い合わせまで2回以内の操作で到達できるかを確認します。ほかにも、次の6項目を構成のチェックとして使えます。

チェック項目 確認の内容
サイトマップとの一致 設計したページ一覧と階層が、実際のページ・URLと一致している
問い合わせまでの距離 どのページからも、2回以内の操作で資料請求・問い合わせに到達できる
次の行動の明確さ 各ページに、次にしてほしい行動が1つだけ置かれている
名称の一致 メニューの名称、ページの見出し、パンくずの表記が揃っている
リンクの動作 リンク切れがなく、メニューが画像だけ・スクリプトだけで作られていない
計測の設定 資料請求と問い合わせの完了を、公開日から計測できる

6項目目の計測は、公開後に構成を見直す前提として欠かせません。当社は新規記事の企画時に、Search Consoleのクエリデータを月次で見て記事の切り口を決めました。サービスサイトでも、公開後の検索クエリから不足しているページを見つけられます。指標の見方はWebサイト改善の効果測定とは|GA4・GSCで確認する5つの指標が手がかりです。

サイトマップ案の作成を外部に頼む目安と依頼時の確認点

構成の作業をすべて社内で抱える必要はありません。次の条件に当てはまる場合は、外部の制作会社やマーケティング支援会社に任せる範囲を決めて相談する価値があります。

任せる目安は、サイトマップ案を作る担当と時間がない場合、検討するサービスが複数あり、どれをサービスサイトにするか決められない場合、公開後に検索クエリを見て構成を直す体制がない場合の3つです。一方、ターゲットと提供価値の確定は、サービスを最もよく知る社内で決めておくのが前提です。ここが曖昧なまま渡すと、ページ数だけが先に決まってしまいます。

制作会社に依頼する場合は、見積もりの前にサイトマップ案の提案があるかを確認します。ページ数だけで見積もりが決まる場合は、構成の検討がどこまで含まれるかを聞いておきましょう。あわせて、サイトマップとワイヤーフレームが成果物として手元に残るか、公開後の改善まで範囲に入るかも確かめます。見積もりの内訳はWeb制作会社の選び方とは|見積もりで必ず確認すべき5つの内訳ポイントで整理しました。サービスサイトの構成設計から公開後の改善まで一連で任せたい場合は、Webサイト制作・運用でご相談いただけます。

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よくある質問

Q サービスサイトとは何ですか?

A

特定のサービスや商材の価値を伝え、問い合わせや資料請求につなげるための専用のWebサイトです。会社全体を紹介するコーポレートサイトと違い、そのサービスを検討している担当者や経営者に役割を絞り、検討が進む順にページを並べて構成します。

Q サービスサイトにはどんなページが必要ですか?

A

基本は、トップ、サービス概要、特徴と強み、料金と導入の流れ、事例、よくある質問、資料請求・問い合わせの7ページです。会社概要やプライバシーポリシーなどの補助ページは、フッターから案内するのが一般的です。

Q サービスサイトの構成はどう決めますか?

A

構成は、検討する人の疑問を書き出してページ候補にすることから始めます。次に、同じ検討段階のものをまとめて階層を決めます。デザインや原稿の前にサイトマップを固め、主要な情報へトップから3階層以内で到達できる構成にします。

Q サイトマップの設計では何を決めればよいですか?

A

ページの一覧、親子関係と並び順、メニューの名称とURLの命名の4点です。検索エンジン向けのサイトマップファイルとは別の作業で、ナビゲーションや内部リンクの設計につながります。詳しくは内部リンク設計の基本と実装|SEOに効く情報アーキテクチャの作り方も参考になります。

Q サービスサイトの作り方を相談することはできますか?

A

ターゲットとゴールの整理、サイトマップの設計、ワイヤーフレームの確認から、公開前の構成チェックまで、一連の流れでご相談いただけます。サービスサイトの構成や進め方については、当社へのご相談もご検討ください。